【和而不同(わじふどう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

和而不同(わじふどう)

「和而不同」とは「人と仲良くするが、意見や考えを無暗に同調しない事」です。なかなか感慨深い言葉で、思わず身につまされる人も多いのではないでしょうか。どうしても、揉めるのも嫌ですし相手と適度に同調するのが、その場の雰囲気を悪くしない秘訣となっていますよね。しかし、これも度を過ぎると、相手の意見に従うだけや自らの意見・主張は伏せる癖がついてしまうのです。それでは良くないと教えてくれる「和而不同」の解説となります。

和而不同の意味

「和而不同」の意味は以下の通りです。
・人と協力をしても意見や態度は同じにしない。
・人とは仲良くするが、闇雲に同調をする事はない。
・人は人で自分は自分として、自らの立場を大事にして相手と矢鱈に同意をしない。
・諺「和して同せず」(わしてどうぜず)も同義。
”和而”は「親しむ」「他人と調子を合わせる」、”不同”は「同じではない」「同じにしない」となり、人とは仲良くするが全てが同じではないとして、要するに、協調はするが他人の意見には簡単に同調しない事です。そこから、己の考えをしっかり持っているや他人に同調しないで自分の考えを持つべきという教えでもあります。端的に言うなら、人とは主体的に付き合うべきなのです。元とされる孔子の「論語」には、人格者である君子は主体性を持ちつつ人と協調するが、地位が低い小人は矢鱈と同調や妥協するが真の協調性はないと断定しています。そこからも、自分の考えをもつ大事さを説いているのが「和而不同」です。

和而不同の由来・出典

「和而不同」の由来は、中国春秋時代の思想家・孔子の言葉をまとめた書物「論語」の子路篇となります。

和而不同の類義語・同義語

「和而不同」の類義語は四字熟語では残念ながらありませんが、諺では「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」「同じて和せず」などが挙げられます。

和而不同の使い方・例文

例文1.中途で採用された会社なので会議で周囲に合わせて同意ばかりしていたら、上司から「和而不同が出来ていないからリラックス」と助言された。
例文2.公務員になったばかりの頃の座右の銘は和而不同だったが、それから10年以上が経過して今なら青臭くて笑ってしまう程に初心だったと思えてならない。
例文3.日本人に和而不同の教えを説いても、村社会で保守的な人々なのできっと80%ぐらいは反対をするだろう。
例文4.ママ友の間で和而不同な態度を取ったら、あっという間に爪弾きで排斥され、子供までイジメにあってしまう。
例文5.出世するには、上司にはゴマをすり同僚には適度に和而不同な態度をして出来る男アピールするのが得策だ。
職場やママ友の間などで「和而不同」を使った例文となります。

和而不同の会話例

男性
また、やられたよ。オンラインゲームは難しい!
女性
どんなゲームをやっているの?
男性
仲間と協力して、相手を倒すサバイバルゲームだよ。
女性
協力ばかりしていないで、途中で味方を出し抜かないとレベルアップしないんじゃないの。それこそ和而不同な精神でやってみなよ。

ゲームに夢中だが下手くそな彼氏に彼女がアドバイスを送っている会話です。

和而不同の豆知識

「和而不同」から”協力”に関する四字熟語は、集団の人々が目的達成で協力する「一致団結」、キリスト教の父と子と精霊から三つのものが違う側面もあるが心を合わせる「三位一体」、心を一つにして皆で団結する「同心協力」、全員が力を合わせて任務に当たる「戮力協心」、心と力を合わせて仕事に当たる「和衷協同」などがあります。

和而不同の難易度

「和而不同」は漢字検定準1級から9級相当の文字組み合わせで、”而”は準1級で大学一般レベル、”不”は7級、”和”は8級でそれぞれ小学校中学年レベル、”同”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

和而不同のまとめ

「和而不同」は人間関係や協調・協力などに関する四字熟語で、人とは仲良くするが容易に同調はしないという意味です。己というものをしっかり持つべき、又は持ちなさいという教えのような四字熟語で、仲良くするのと相手の意見に従うのは違うと説いています。

和而不同の精神は理解し難い。
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