【周章狼狽(しゅうしょうろうばい)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

周章狼狽(しゅうしょうろうばい)

狼狽える、慌てる際に使われる「狼狽」は大変有名で、日常生活でも使われる事が多い言葉の一つですが、そこで「周章狼狽」とはなかなか使わないものです。この二つは同じような意味ですが、やはり省略した「狼狽」の方が使い勝手が良いのは事実です。そんな「周章狼狽」とはどんな言葉なのか調べてみました。

周章狼狽の意味

「周章狼狽」の意味は以下の通りです。
・慌てふためく。非常に狼狽える。
・予期せぬ事に出合い面食らう。狼狽えて騒ぐ。
・「狼狽」と同義扱い。
「周章狼狽」の”周章”は「慌てふためく」「狼狽える」、”狼狽”は「慌てる」「狼狽える」で、同じ意味の言葉を繰り返して強調しています。要は、単に”周章”や”狼狽”だけでも良いが、さらに慌てている様の表現として「周章狼狽」となります。「慌てる」はびっくりするの全般なので、愕然や息が止まる、あっけにとられるなども「周章狼狽」と近い意味合いとなります。

周章狼狽の由来・出典

「周章狼狽」の由来は、残念ながら不明です。一方、”狼狽”はかなり有名で、伝説上の獣の足の長さが違う事が由来とされています。そこから派生したのが「周章狼狽」と推測できますが、憶測の域を出ていません。文献としては、明治時代に活躍した小説家・坪内逍遥の「当世書生気質」(1885年)などに文言が残されています。

周章狼狽の類義語・同義語

「周章狼狽」の類義語には、「心慌意乱」「右往左往」などが挙げられます。

周章狼狽の使い方・例文

例文1.家に帰ったら玄関に隠れていた兄がいきなり驚かしてきたので、周章狼狽して取り乱してしまった。
例文2.大好きな彼女から逆に告白された時は、まさに天にも昇る心地となり周章狼狽して大変だった。
例文3.コンビニへ買物に出掛け、レジでお金を支払う段階で、財布もスマホも忘れたと気が付き周章狼狽し店員や後ろの客に迷惑をかけた。
例文4.交通事故に遭って車に轢かれた時は、人生でいちばん周章狼狽した。
例文5.日頃は学生時代の柔道部出身という事もあり、職場の後輩にも体育会系として怖い先輩で通っていたが、母の葬儀では情けない事に小娘のように延々と泣き続ける周章狼狽な姿を披露し、その後の出社では非常に気まずかった。
驚いたり、取り乱した様を「周章狼狽」とした例文です。

周章狼狽の会話例

男性
この間は傑作だったねー。
女性
もう、それを言わないでよー。
男性
部屋の中に虫がいただけで、周章狼狽して俺に助けを求めるとは。日頃は男勝りで、ハキハキしている性格なのに。
女性
そんな事言ったら、私だってあなたの弱いところを言うわよ。

仲の良いカップルの日常的な会話です。彼女の方が虫が苦手で、姿を見かけて「周章狼狽」したという会話です。

周章狼狽の豆知識

「周章狼狽」の”狼狽”は、”狼”と”狽”という伝説上の狼に良く似た二匹の動物です。”狼”は前足が長く、”狽”は後ろ足が長いので、この二匹が合わさるように背中に乗っていたが、ある時にバランスを崩し動けなくなり、その慌てる様から”狼狽”という言葉が誕生したと伝えられています。因みに四字熟語の場合は、伝説上の生き物と言えば何と言っても”竜”で、「画竜点睛」や「臥竜鳳雛」などいくつもあります。

周章狼狽の難易度

「周章狼狽」は漢字検定準1級から8級相当の文字組み合わせで、”狼”と”狽”は準1級で大学一般レベル、”周”と”章”は7級と8級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

周章狼狽のまとめ

「周章狼狽」は、非常に狼狽える、慌てふためくといった意味の四字熟語です。そもそも”周章”と”狼狽”が慌てるといった同じような意味で、その言葉を繰り返す事で強調する効果があります。実際には”狼狽”だけで使いがちですが、慌てたり驚きの様を伝えたい際には「周章狼狽」とすると”狼狽”以上なんだと理解されます。

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