【不倶戴天(ふぐたいてん)】の意味と例文と使い方

不倶戴天(ふぐたいてん)

男性や女性が好む漫画や映画などには、ワンパターンと言うと語弊もありますが、ある種の決まったフレーズが度々登場するものです。今回の「不倶戴天」もそんな一つで、愛憎入り乱れる泥沼系や妻や子供の敵討ちとなる物語で露出が多い四字熟語となっています。「不倶戴天」は復讐や殺すといったそれは物騒な言葉で、それぐらい憎い相手に対して使用されます。それでは詳しい解説を始めさせて頂きます。

不倶戴天の意味

「不倶戴天」の意味は以下の通りです。
・憎しみ、恨み、怒り、復讐の対象相手。殺したいほど憎む相手。
・同じ空・天の下では共に生きていられないと思わせるほど、憎むべき相手。
・互いに憎むべき間柄。お互いが相手を殺したいと思っている関係。
・「不倶戴天の敵」も同義となる。
一緒に同じ時代を生きられない、同じ空の下で生きられないという事から、それぐらい憎むべき相手が「不倶戴天」となります。要するに、殺したいほど憎むべき相手であり、また相手も同様に憎んでいる場合もあります。現代においては日常生活などでは滅多に使われませんが、大昔の戦国時代などはこの様な物騒な言葉を使うのも珍しくなかったのでしょう。

不倶戴天の由来・出典

「不倶戴天」の由来は、古代中国の孔子による儒教の経書「礼記」の「曲礼」で、父親の復讐を誓うものとなっています。

不倶戴天の類義語・同義語

「不倶戴天」の類義語には、「倶不戴天」「怨気満腹」などが挙げられます。

不倶戴天の使い方・例文

例文1.かつては親友同士だったが妻を寝取られてからは、名前を聞くだけでも腸が煮えくり返り不倶戴天としか思えなくなってしまった。
例文2.プロレスラーなどは試合前は不倶戴天で一触即発状態だが、試合後は一緒に食事をする間柄で実は仲が良い。
例文3.不倶戴天で罵り合ってばかりなのに、なぜか離婚をしない芸能人夫婦。
例文4.何よりも大事にしていた愛犬を盗んだ泥棒は、不倶戴天の敵として何としても見つけて裁きを下したい。
例文5.親子ケンカがエスカレートして、警察沙汰やニュースに登場するほどになると、その背景にはどんな不倶戴天があったのか下世話な勘繰りをしたくなる。
不倶戴天を使用した例文のまとめとなります。

不倶戴天の会話例

男性
一体どうしたんですか? そんなに殺気立って?
女性
今朝、電車の中で痴漢された!
男性
本当ですか?だから、不倶戴天の様な形相なんですね。
女性
もう最悪。それも駅に着いて下りる瞬間に触られたから、こっちは何も出来ない。

痴漢された女性が愚痴を吐いている会話例です。

不倶戴天の豆知識

「不倶戴天」は激しい怒りや憎しみですが、反対となる笑いを意味する四字熟語は「呵呵大笑」「破顔一笑」「抱腹絶倒」となります。全体的に見て、笑いより怒りや憎しみに関する方が多いので、そこには大昔ならではの混乱や戦国といった背景も関係していると窺えます。

不倶戴天の難易度

「不倶戴天」は漢字検定準1級から10級相当の文字組み合わせで、”倶”が大学一般、”戴”は高校卒業から大学、残り2文字は小学校レベルの四字熟語となります。

不倶戴天のまとめ

「不倶戴天」は怒りや憎しみといった意味ですが、単なる一時的な怒りではなく、殺したいほど憎むという強烈な関係性が成り立っています。よって、相手も同じように憎んでいる場合もあるので、双方が同じ空の下では生きられないと思っているのです。それだけに現代における日常生活では滅多に使用されませんが、だからこそ漫画や映画など作られた世界では度々登場する四字熟語でもあります。

不倶戴天な二人の男性
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