【跼天蹐地(きょくてんせきち)】の意味と例文と使い方

跼天蹐地(きょくてんせきち)

大人になっても怖がりな人っていますよね。また、顔には出さなくても苦手な人の前ではどうも本調子にならないで、少し怖がってしまう。そんな様を表す四字熟語が今回の「跼天蹐地」になります。職場の威圧的な上司や鬼嫁などに怯えてしまっている方には、ぜひ覚えてもらいたいものです。それでは、解説に入らせて頂きます。

跼天蹐地の意味

「跼天蹐地」の意味は以下の通りです。
・恐れおののいてびくびくする。絶えず怯えている。恐れ畏まっている。
・肩身狭く世間をはばかって生活する。世間に気兼ねしながら暮らす。
・恐れ畏まって、体をかがめ抜き足で歩く。
・諺「天に跼り地に蹐す」も同義。
「跼天蹐地」は主に二つの意味があり、恐怖やびくびく怯えている様子と、世間や世の中に対して堂堂と出来ない様です。前者は単に怖がりとも見てとれますが、震えるぐらいに恐怖に怯えているとなるので、よっぽどの事なのでしょう。後者は、まるで存在を誰にも察すれない様に、抜き足でそっと歩き世間と距離を取るようにして、肩身が狭い窮屈な暮らしぶりも込められています。”跼天”は「天(空)は高いのに身をかがめる」、”蹐地”は「大地を抜き足で歩く」となります。

跼天蹐地の由来・出典

「跼天蹐地」の由来は、中国最古の詩篇「詩経」の「小雅・正月」となります。

跼天蹐地の類義語・同義語

「跼天蹐地」の類義語には、「小心翼翼」「戦戦兢兢」「風声鶴唳」などが挙げられます。

跼天蹐地の使い方・例文

例文1.営業成績が悪いので、職場で上司から声を掛けられると、遂に首の宣告かと跼天蹐地な感情が脳裏を駆け巡る。
例文2.人相が悪いからなのか、学生時代から街を歩くと職務質問される事が多く、そこから跼天蹐地で目立たない事を好む性格になってしまった。
例文3.かつて父親が痴漢で逮捕された時は、家族全員が跼天蹐地となり、数年間は悪い噂が世間に流れていないか気が気でなかった。
例文4.飲食店で幸せそうな家族を見ると、独身者の私はどうも跼天蹐地で居た堪れなくなり、そそくさとその場を立ち去る。
例文5.跼天蹐地な私がコロナ渦になり唯一の救いは、マスク着用で相手の表情を気にする必要が無くなった事だ。
怯え、世間に顔向けできない、居心地悪いを「跼天蹐地」とした例文です。

跼天蹐地の会話例

男性
(おどおどした表情で)すみません…。あのー!
女性
あ、私ですか? 何か?
男性
ハンカチ落としましたよ。
女性
あっ本当だ。ありがとうございます。…ところでそんなに跼天蹐地な態度しないで下さいよ。怖そうですか私?

ハンカチを落とした女性に男性が声を掛けたやり取りです。

跼天蹐地の豆知識

恐れるという意味の四字熟語は「跼天蹐地」の他にも、「戦戦兢兢(戦々恐々)」「戦戦慄慄」「胆戦心驚」などがあります。恐れの反対となる”大胆”や”恐れない”の意味が込められている四字熟語は「大胆不敵」「直往邁進」などです。因みに、恐れと大胆の両方に当て嵌まらないものには「人畜無害」「無味無臭」があります。

跼天蹐地の難易度

「跼天蹐地」は漢字検定1級から10級相当の文字組み合わせで、”蹐”と”跼”は1級で大学一般レベル、”地”と”天”は9級と10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

跼天蹐地のまとめ

「跼天蹐地」は、恐れるや恐れ畏まっている、肩身が狭いや世間をはばかるという二つの意味があります。元々は、天を気にして抜き足で歩くという古代中国の逸話によるもので、そこからこの様に解釈されています。

歩いてる途中で跼天蹐地の心境になってしまう
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