【無位無冠(むいむかん)】の意味と例文と使い方

無位無冠(むいむかん)

”敗者の栄光”、又は”負けの美学”や”記録より記憶”など、勝利や活躍しなくても称える言葉がありますが、今回の「無位無冠」もそんな雰囲気がある様に思えますよね。「地位や名誉はないが〇〇がある」という四字熟語に見えなくもないですが、それでは実際にはどんな意味があるのか調べてみました。

無位無冠の意味

「無位無冠」の意味は以下の通りです。
・地位や肩書がない。何の位もない。
・重要な地位や役職に就いてない。
”無位”は「地位や身分がない」「官職や役職の地位がない」、”無冠”もまったく同じ意味となるので、地位や肩書がまったくないと強調している事になります。自ら謙ったり卑下する際に用いたり、反対に発破や鼓舞する為にも使用されます。「無学無識」や「無為無能」と同じような言葉で、「地位や肩書が低い」と、”低い”を強調して使いたくもなりますがそれは誤りで、深読みなどせず単純に「地位や身分がない」とする言葉です。

無位無冠の由来・出典

「無位無冠」の由来は残念ながら不明です。文献としても「無位無冠」では見つからず、”無位”は平安時代初期の勅撰史書「続日本紀」(699年)、”無冠”も同じく「続日本紀」に文言が残されています。

無位無冠の類義語・同義語

「無位無冠」の類義語には、「無位無官」「無位無禄」などが挙げられます。

無位無冠の使い方・例文

例文1.定年退職した父は無位無冠となったが、時折見せる眼光の鋭さは刑事時代とまったく変わらない。
例文2.リストラ間際とされる窓際族になり、陰では無位無冠と悪口を言われているが、当の本人は責任がなくなりすっきりしている。
例文3.世の中には、無位無冠になるのが耐えられない野心家タイプと、無位無冠でプライベートを充実させたいタイプに分けられる。
例文4.大事な会議に呼ばれても、無位無冠で発言権がない私には苦痛でしかない。
例文5.皆を纏めるリーダーシップが備わっていない私は、降格して無位無冠となるのは時間の問題だ。
無位無冠を使った例文となります。

無位無冠の会話例

男性
知ってる? 〇○さん、今年も課長になるのダメみたいだよ。
女性
そうなんですか。本人はショックですよね。
男性
そうだよね。毎年、後輩が出世していくのに本人は平だものね。仕事はできると思うんですけど…。
女性
上からは評価されない。無位無冠の帝王という称号がピッタリですね。

ある人がいつまでも昇進できないことを話している会話例です。

無位無冠の豆知識

「無位無冠」の様に”無”が繰り返し使われる四字熟語は、「無二無三」「無為無策」「無位無能」「無我無心」「無我夢中」「無慙無愧」「無始無終」「無声無臭」「無想無念」などが挙げられます。これらは、策がないや意義がある事をしない、心がないなど、否定や状態として無いという共通点があります。

無位無冠の難易度

「無位無冠」は漢字検定3級から7級相当の文字組み合わせで、中学校から小学校中学年レベルの四字熟語となります。

無位無冠のまとめ

「無位無冠」は、地位や肩書がない、重要な地位や役職がないという意味の四字熟語です。言葉通り、役職がないというだけで他に深い意味や教えなども隠されていない、ある種とてもストレートな言葉です。現代では、サラリーマンなどが自ら謙遜して「無位無冠ですから~」といった使われ方が多いです。

走った後の無位無冠な女性
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