【滞言滞句(たいげんたいく)】の意味と例文と使い方

滞言滞句(たいげんたいく)

「滞言滞句」とは「言葉に拘り真理や本質を理解していない事」です。一見すると、嘘吐きなどが「滞言滞句」ではないかと思いますが、強ち間違いではありません。言葉では何とでも言えますが、それが真実や真理を突いているかはまた別問題だからです。元は仏教用語となるので、表面上の言葉だけで取り繕うのはよくないのでしょう。それでは「滞言滞句」の解説となります。

滞言滞句の意味

「滞言滞句」の意味は以下の通りです。
・言葉に拘り真理を理解していない。
・言葉の表面ばかりを追い、生きた真実や本質を理解できない。
”滞言”は「言葉に拘る」「言葉だけに執着する」、”滞句”は「言葉に拘る」「言葉だけに執着する」で、”言”と”句”はどちらも「言葉」の事です。そこから、言葉の表面的な事ばかりを気にしたり拘るあまり、その本質的な意味や真理を理解していないのが「滞言滞句」です。「滞言滞句」は元々は仏教用語で、仏典の言葉の解釈ばかりを拘る事を戒める為にできた言葉とされています。よって、言葉の本質を見失っている状態とも理解できます。使い方としては、「滞言滞句の愚」「滞言滞句に陥る」「滞言滞句な状態」といった風になります。

滞言滞句の由来・出典

「滞言滞句」は上記の通り仏教を発祥とする言葉ですが、残念ながらそれ以上の詳細は分かっていません。

滞言滞句の類義語・同義語

「滞言滞句」の類義語には、「尋言逐語」「尋章摘句」などが挙げられます。

滞言滞句の使い方・例文

例文1.新人社員は先輩や上司にもタメ口で話すとんでもない男だが、当人はそれが普通で問題ないと思っているのだから、注意をしても滞言滞句となるのは分かり切っているので放っておく。
例文2.ネットが発達して社会が便利になったのは事実だが、滞言滞句な人々が溢れてしまったのも弊害であり残念でならない。
例文3.国会で質問に対して、回答を読みながら同じ答弁を何度も繰り返す大臣は滞言滞句な愚者なので、一刻も早く引退をしてもらいたい。
例文4.最近はマスコミ批判をするネット記事が増えているが、マスコミよりも酷いのは税金でのさばる国会議員で、彼らは自分の言葉に責任すら取らないで滞言滞句だと気付きもしない。
例文5.元議員達はテレビに出演して状況に応じた政権批判や擁護を繰り返し、出演料を手にして稼いでいるのだから笑いが止まらないだろう。そして日に日に発言が矛盾をして滞言滞句となっているとは露知らず、今日も寝る間もおしんで各局を移動している。
言葉の本質を理解していないとして、「滞言滞句」を使った例文です。

滞言滞句の会話例

男性
どうしたの。ずいぶん憤っているね?
女性
隣の奥さんが好き勝手な事ばかり言ってくるから、頭にきて。でも、私は何も言い返せられないの。そんな不甲斐ない自分にも腹が立って。
男性
そんな事もあるよ。あまり気にしても仕方がないって。
女性
でも、隣の奥さんはすごいのよ。マシンガンのように、ワーッと話すんだから。中身は意味がなくて滞言滞句なんだけど、それでも圧や迫力が凄いのよ。あなたも一度、話してみなさいよ。

憤る妻を宥める夫との会話やり取りです。

滞言滞句の豆知識

「滞言滞句」から”本質”に関する四字熟語は、物事の表面だけをいい加減に見て本質を理解しない「走馬看花」、物事の道理や本質を追い求めて知識を深め向上する「格致日新」、本質から外れた些末な「枝葉末節」、物事の道理や本質を深く追求し知識や学問を深める「格物致知」などがあります。

滞言滞句の難易度

「滞言滞句」は漢字検定3級から9級相当の文字組み合わせで、”滞”は3級で中学校卒業レベル、”句”は6級で小学校高学年レベル、”言”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

滞言滞句のまとめ

「滞言滞句」は言葉にばかり拘り真実や真理や本質をともなっていない事です。言葉では好き勝手言えるが、そこには真実がなかったり、或いは内容にあまり意味がないのです。ですから、綺麗事ばかりを豪語するが実体があまりにもかけ離れているのが「滞言滞句」となります。

本質を理解せず言葉の表面だけしかみない滞言滞句な人からみた画像
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