【浅見短慮(せんけんたんりょ)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

浅見短慮(せんけんたんりょ)

「浅見短慮」とは「考えや見識が狭い事」です。大人になるとどうしても毎日が同じ事の繰り返しであり、新しい事は受け入れないようになるので、次第に柔軟な考えは出来ず、それどころか拒否して保守的な考えに固執するようになります。そんな狭い考えを「浅見短慮」というのです。柔軟な発想ができる若い世代は理解が難しいかも知れませんが、確実に老いてくると実感する「浅見短慮」についての解説となります。

浅見短慮の意味

「浅見短慮」の意味は以下の通りです。
・考えや見識が狭く、思慮が足りない。
・物事を深く考えたり本質を捉えられない己を謙っていう言葉。
・逆さにした「短慮浅見」も同義。
”浅見”は「浅はかな見識や考え」「浅はかな自分を謙っていう語」、”短慮”は「考えが浅はか」「思慮が足りない」「気が短い」「短気」となり、どちらも浅はか・見識がない・思慮が足りないといった意味になります。ですから、本来はどちらかの言葉だけでも十分なのですがそれを繰り返して、本当に浅はかであると強調をしているのが「浅見短慮」です。具体的には、浅はかや見識狭いとは、愚かや間違った考えであり、幼稚や根拠に乏しいものなどです。そんな考えが恥ずかしいと気が付き、自らに対しても「浅見短慮」を使うとより謙った意味合いとなります。もちろん、無礼や常識知らずな相手に使う事もあるのですが、そこにはかなり重い非難であると受け取れます。

浅見短慮の由来・出典

「浅見短慮」の由来は残念ながら不明です。文献としては、”浅見”は江戸時代の歌論書「国歌八論」(1742年)、”短慮”は平安時代に活躍した公卿・藤原行成の日記「権記」(998年)などに文言が記されています。

浅見短慮の類義語・同義語

「浅見短慮」の類義語には、「軽率短慮」「軽佻浮薄」などが挙げられます。

浅見短慮の使い方・例文

例文1.仕事でミスが続き、上司に叱られてやっと浅見短慮だったと気が付いた。
例文2.テレビで活躍する弁護士や元議員に論点ずらしばかりが上手な著名人には、浅見短慮な感情を期待する方が無駄で、彼らは自分の名誉欲を満たし金が稼げるかぎりは今後も活躍をし続ける。
例文3.愛犬が懐かなくなり、そこで始めて嫌われる事ばかりをしていて浅見短慮であったと気が付いた。
例文4.優秀な研究者ほど物事を偏って見る癖があるので、浅見短慮に固執してしまう場合もある。
例文5.若い時は男女差別の塊だったので四十を過ぎた今でも独身なんだと、自分があまりにも浅見短慮で恥ずかしくて仕方ない。
厚かましくて思慮が足りない人や、そんな自分自身についての例文となります。

浅見短慮の会話例

男性
浅はかだったと反省しているよ。だから、帰ってきてくれよ。
女性
あなたがそう言って謝るの、何度も聞いた。
男性
ごめん。本当にゴメン。俺は浅見短慮で、頭の中が昭和や平成で止まっていたってやっと分かった。
女性
分かった。じゃあ、今週中には一旦戻るから離婚届にサインをして下さい。

離婚をするか否かでもめている夫婦の電話でのやり取りです。

浅見短慮の豆知識

「浅見短慮」から”浅はか”や”愚か”に関する四字熟語は、浅はかな考えで自分を欺くがいずれは悪事が知れ渡る「掩耳盗鐘」、物事の見方が浅はかで上辺だけな「皮相浅薄」、愚か者でも時には役立つ知恵を出す「愚者一得」、聞くに耐えない下品な言葉やほら話の「斉東野語」などがあります。

浅見短慮の難易度

「浅見短慮」は漢字検定4級から10級相当の文字組み合わせで、”慮”は4級で中学校レベル、”浅”は7級、”短”は8級で小学校中学年レベル、”見”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

浅見短慮のまとめ

「浅見短慮」は”浅見”と”短慮”のどちらも考えが浅はかという意味で、その二つを合わせて考えや見識が狭いとなります。要するに愚かや視野が狭いという言葉とも非常に近いものがあります。又、そんな見識が狭い己を謙る際にも使われます。

浅見短慮で己を嫌う。
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