【五陰盛苦(ごおんじょうく)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

五陰盛苦(ごおんじょうく)

「五陰盛苦」とは「仏教用語で人間の体や心を形成する五つの苦悩」です。仏教の教えでは、人は生きているだけで苦痛や苦悩を伴い、だからこそ毎日が修行となります。苦しみの先には希望など何かしら良い事があるので、その為に頑張れるのでしょう。しかし、その前には途方もない苦しみがあると、四苦八苦など基本理念で説いています。では、苦しみを説く「五陰盛苦」とはどの様な仏教用語なのか調べてみました。

五陰盛苦の意味

「五陰盛苦」の意味は以下の通りです。
・人間の体や心を形成する五つの要素(五陰・五蘊)から生じる苦悩や苦痛。
・仏教用語で人間が持つ八つの苦しみ(八苦・四苦八苦)の一つで五陰から生じる苦悩。
・有情の身心や環境を形成する五陰で起こる苦しみ。
”五陰”は「五蘊」「存在を構成する五つの要素で色蘊・受蘊・想蘊・行蘊・識蘊」、”盛苦”は「苦痛や苦悩」となり、人間の体に備わる五つの要素からなる苦痛や苦悩が「五陰盛苦」となります。これだけではかなり難解なので、掻い摘んで解説すると、まず「五陰盛苦」とは仏教用語の事です。仏教には有名な言葉で「四苦八苦」がありその一つが「五陰盛苦」なのです。最初に”四苦”は誰にでも当て嵌まる人生の苦しみで生・老・病・死、次の四苦は怨憎会苦・愛別離苦・求不得苦、そして今回の「五陰盛苦」を合わせると八苦になり「四苦八苦」となります。それぞれの意味は割愛しますが、「五陰盛苦」の”五陰”は身体的な「色蘊」、感覚作用の「受蘊」、表象作用の「想蘊」、意志や欲求など心作用の「行蘊」 、対象の識別作用の「識蘊」で、これらは目・耳・鼻・舌・身の事でもあり、そしてこの感覚(作用)があるからこそ苦悩や苦しみの要因となると説いています。この辺りは正確な解釈は難しいですが、「五陰盛苦」は「四苦八苦」の一つなので、元々備わっていたからこその「肉体と精神の苦しみ」で、仮に最初から無かったら苦しみは生まれないのです。端的に言うなら、仏教の基本である「生きる苦しみ」「無が全て」で、精神論の境地に辿り着かないと本当の深い所では理解が難しいのかも知れません。

五陰盛苦の由来・出典

「五陰盛苦」の由来は仏教の開祖・釈迦による教え「四苦八苦」となります。

五陰盛苦の類義語・同義語

「五陰盛苦」の類義語には、「五蘊盛苦」「怨憎会苦」「愛別離苦」などが挙げられます。

五陰盛苦の使い方・例文

例文1.学生時代は朝練がない日は寝坊も出来たので、その幸せ度はまるで五陰盛苦から解放されたほどの喜びだった。
例文2.仏教から四苦八苦や五陰盛苦などを教えてもらったので、今は生きる喜びを毎日感じている。
例文3.激辛料理が好きな友人は、辛くて悲鳴を上げるほど快感だそうで、それは五陰盛苦にも似た心境なんだと感じ取った。
例文4.生きる事は苦しみだが、苦しいからこそ僅かな事を幸せに感じたりするので、五陰盛苦もそんな事だと自己流に解釈している。
例文5.喉がカラカラに乾きまさに五陰盛苦の限界となった所でキンキンに冷えたビールを流し込み、「かぁー!」と声を出すカイジ飲みをする瞬間が生きていると実感する。
「五陰盛苦」を苦しみや辛さとした例文です。

五陰盛苦の会話例

男性
ちょっと、早くしてくれない。
女性
待ってよ。私だって、入ったばっかりだよ。
男性
そうだけど、漏れそうなんだよ。お願い、出て、早く!
女性
もう男のくせに、トイレぐらいで漏れるって。それぐらい五陰盛苦に比べたら大した事じゃないでしょう。コンビニのトイレにでも行ってきなよ!

同棲中男女のトイレ使用での会話やり取りです。

五陰盛苦の豆知識

「五陰盛苦」は「五蘊盛苦」の事で、略して「五蘊苦」や「五温」ともなります。元々は南伝上座部仏教の経典で使用される言語「パーリ語」では「パンチャ・ウパーダーナ・カンダ・ドゥッカ」と言い、「五つの要素に執着する苦しみ」という意味です。

五陰盛苦の難易度

「五陰盛苦」は漢字検定4級から10級相当の文字組み合わせで、”陰”は4級で中学レベル、”盛”は5級で小学校高学年レベル、”苦”は8級で小学校中学年レベル、”五”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

五陰盛苦のまとめ

「五陰盛苦」は仏教の四苦八苦の一つで、人間に備わる五つの要素から生じる苦痛や苦悩という意味です。四苦八苦は生きているだけで味わう全ての苦しみなので、「五陰盛苦」の”五陰”も身体的な「色蘊」、感覚作用の「受蘊」、表象作用の「想蘊」、意志や欲求など心作用の「行蘊」 、対象の識別作用の「識蘊」という五つの苦しみとなります。

日々、五陰盛苦を忘れず生きている。
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