一字千金(いちじせんきん)
「一字千金」とは「たった一文字でも大金の価値があるとして、文字や文章が素晴らしい喩え」です。古代中国らしい芸術を称賛する言葉で、正にプレイスレスと言えるぐらいその文章などには金銭的な価値があるのでしょう。当時は食料などが貴重な時代なので、そこでこれほど価値があるとするのは現代の基準ならとんでもない才能という感じではないでしょうか。
一字千金の意味
「一字千金」の意味は以下の通りです。
・一文字が千金もの大金のような大変な価値がある文章の事。
・一字に千金もの価値があると、素晴らしい文章を称えた喩え。
・優れている文章や筆跡の事。
・喩えようのない厚い恩恵。
「一字千金」は詩文の文章や筆跡を称えた四字熟語です。たった一字でも千金のような価値があるとして、そこから素晴らしい文章などの喩えとして使われます。元となる古代中国の歴史書「史記」の呂不韋伝によると、大臣である呂不韋は自らが書いた詩文に自信があるあまり「他の者が一字でも添削できたら千金を払う」と豪語したそうです。そんな経緯から誕生した「一字千金」は本来は、間違いを見つけた者に大金を払う約束的なものでしたが、それが転じて、現在は素晴らしい文章の喩えとなります。自分自身が使うと少々嫌味になるので、他の人の作品などを絶賛する際に用いるのがよくあるパターンで、「一字千金の名作」「一字千金の価値」「一字千金の小説」といった風になります。
一字千金の由来・出典
「一字千金」の由来は中国前漢時代の歴史書「史記」の呂不韋伝(りょふいでん)となります。
一字千金の類義語・同義語
「一字千金」の類義語には、「一言千金」「一字百金」「一字連城」などが挙げられます。
一字千金の使い方・例文
例文1.無名作家の作品だが彼の推理小説は将来的に一字千金と称される可能性を秘めているが、俺は作風を受け付けない。
例文2.我が子の習字が金賞を貰った時は親バカながらに一字千金と涙が出たが、後から聞いたら全員が金賞で参加賞のようなものだそうだ。
例文3.婚姻届はまるで一字千金と役所の担当者が思うぐらいに達筆で書いたが、離婚届は浮気した元妻への憎しみから象形文字のように書き殴ってやった。
例文4.スタッフが腕まくりしている居酒屋やラーメン屋で店名が凝ったフォントだともう来店する気を失せるが、当事者達からすると一字千金の価値がある自信の表れでお客がやって来ると信じ切っているのだから可愛いものだ。
例文5.現代の一字千金に近い人物といえば、一分千金のように動画投稿するだけで大金を生み出す子供騙しYouTuberだろう。
「一字千金」を使った例文となります。
一字千金の会話例
年末に発表される「今年の漢字」についての会話となります。
一字千金の豆知識
「一字千金」から”千金”に関する四字熟語は、信義が厚く裏切る事のない喩え「一諾千金」、僅かな時間が千金相当という「一刻千金」、美人が笑えば千金に値する「一笑千金」、自分のものならどんなに退屈でも宝物のように思える事から短所が分からない喩え「弊帚千金」などがあります。
一字千金の難易度
「一字千金」は全文字が漢字検定10級相当の文字組み合わせで、小学校低学年レベルの四字熟語となります。
一字千金のまとめ
「一字千金」は一文字に千金もの価値があるとして、素晴らしい詩や文章などの喩えとなります。たった一文字でも大変な価値があるとするので、それぐらいの歴史的な有名文学や愛する我が子の習字作品などでも使える表現です。