【落花狼藉(らっかろうぜき)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

落花狼藉(らっかろうぜき)

「落花狼藉」とは「物の散らかりと女性への乱暴を意味する言葉」です。美しい花を雑に扱うと花が落ちて散らかる事から、暴力や乱暴をしたとも受け取れます。現在でもDV体質の男は、女性を殴った上に部屋を破壊して散らかすので、「落花狼藉」と共通点があるように感じてしまいます。また、穿った見方なら、いつの時代も一定数の女性は男の暴力に苦しめられてきたので、だからそんな背景から「落花狼藉」が誕生したとも思えてしまいます。

落花狼藉の意味

「落花狼藉」の意味は以下の通りです。
・物が散乱している。花が散り乱れる事。
・花が乱れて散っている事から、物が散乱している喩え。
・花を女性や子供に置き換えて、そこから、女性や子供に乱暴をする事。
”落花”は「花が落ちる」「花が散る」、”狼藉”は「狼が寝た跡は草が乱れている事から、散らかっている」となり、「落花狼藉」は大きく分類すると二つの意味があります。一つは狼が寝た跡から、物が散乱している事です。花がバラバラになるとして、乱雑する様を表現しています。二つ目は散ってしまう花の姿を女性や子供に例えて、自分よりも弱い存在に暴力を振るう事です。花が散るのは風や雨などが原因なので、その様な乱暴な行為を男性の酷い扱いとしています。使い方としては、「落花狼藉に及ぶ」「落花狼藉を働く」といった風になります。

落花狼藉の由来・出典

「落花狼藉」の由来は、平安時代中期の歌人で公卿・藤原公任による詩文集「和漢朗詠集」の「上」となります。

落花狼藉の類義語・同義語

「落花狼藉」の類義語には、「杯盤狼籍」「落英繽紛」「乱暴狼藉」などが挙げられます。

落花狼藉の使い方・例文

例文1.姉の彼氏は最低な男で口論になると最後は必ず落花狼藉に及び、気が済んだらそのまま家を飛び出てしまうそうだ。
例文2.高校卒業後の就職に失敗してから部屋は落花狼藉で足の踏み場もなかったが、猫を飼い始めてから心境の変化で片付けるようになってバイトも始め新しいスタートが切れる様になった。
例文3.昔の作家は部屋中に原稿が散乱する落花狼藉な感じだったが、今ではスマホやPCが一つあれば用足りる様になった。
例文4.仕事でストレスが溜まると、思わず嫁や子供に落花狼藉となってしまいそうだが、それをやってはお終いだとグッと我慢する。
例文5.大震災に襲われた後の店内や家の中は落花狼藉で、それは余りにも酷く片付けるのも大変だった。
散らかりや暴力を「落花狼藉」とした例文となります。

落花狼藉の会話例

男性
よし、これで大分デスク周りが片付いた。
女性
えー、これでですか? だって、書類とか乱雑ですし、ゴミもあるし。脇に移動させただけですよね。
男性
俺としては落花狼藉に及ぶほどではないと思うんだけど…。女性からすると、確かに散らかっているかー。
女性
散らかっているけど…、まあこれでいいですね。取り敢えず、仕事を始めますか。

職場の男女がデスク周りの整理について会話をしています。

落花狼藉の豆知識

「落花狼藉」から”狼”に関係する四字熟語は、慌てたり非常に狼狽える「周章狼狽」、酒宴で皿などが散らかっている「杯盤狼藉」、狼狽えたり狼狽する「廃忘怪顛」、粗野な言動をしたり暴れる「乱暴狼藉」、狼の子は人間に懐かない事から人に従わず危害を加える心の「狼子野心」などがあります。

落花狼藉の難易度

「落花狼藉」は漢字検定1級から10級相当の文字組み合わせで、”藉”は1級、”狼”は準1級でそれぞれ大学一般レベル、”落”は8級で小学校中学年レベル、”花”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

落花狼藉のまとめ

「落花狼藉」は美しい花が地面に落ちる事と狼が寝た跡を合わせて、物が散らかっていると女性や子供に乱暴をするの二つの意味がある四字熟語です。一見するとまったく繋がりがない二つの意味ですが、花を乱暴に扱った行為の結果とすると合致するのではないでしょうか。

弟の部屋はいつも落花狼藉で入ることができない。
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