【竜吟虎嘯(りょうぎんこしょう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

竜吟虎嘯(りょうぎんこしょう)

「竜吟虎嘯」とは「気持ちが通じ合う、又は歌声や楽器が響き渡る事」です。竜や虎という象徴的な生き物を使って、人々の気持ちは通じ合える事ができると説いています。様々な解釈が可能ですが、個人的には同じ仲間同士なら時には言葉などは不要になるぐらい理解し合うべきではないのでしょうか。人間が竜や虎の感情が分からなくても、同じ人間同士なら通じ合えるものですし、それが仲良い関係なら尚更ですよね。それでは、遙か昔でもコミュニケーション能力が問われていたと教えてくれる「竜吟虎嘯」の解説となります。

竜吟虎嘯の意味

「竜吟虎嘯」の意味は以下の通りです。
・同じ考えや心を持った者同士は相手と気持ちが通じ合い互いに相応じ合う事。
・人の歌声や笛の音が竜や虎の叫び声として天に轟き響き渡る。
・「竜吟じ虎嘯く」(りょうぎんじとらうそぶく)と読む。
・「りゅうぎんこしょう」とも読む。
”竜吟”は「竜笛の異称」「竜が鳴く」「竹製の横笛」、”虎嘯”は「虎が吠える」「英雄が活躍する喩え」「虎の様な声で吠える」となり、元々は「竜が声をあげれば雲がわき起こり、虎が唸れば風が発生する」という事でした。それが転じて、上記二つの同じ考えの者は互いに気持ちが通じ合う事と、人の歌声や楽器音色が響き渡る事です。前者は「心が通い合う事」で意気投合や相性が良い、他にも、馬が合うや気が合うなども類似となり非常に意味合いが分かりやすいです。一方で後者の場合は、「響き渡る」をどの様に解釈するかで意見が分かれそうです。単純に楽器音色が鳴り響くとするのか、それとも楽器や人の声を竜や虎の叫び声に喩えている事からも、もっと大きな意味として世間に名声が轟くとも理解できます。”虎嘯”は「英雄の活躍の喩え」ともなっている事から、名声が響き渡ると拡大解釈をしても誤りではないでしょう。

竜吟虎嘯の由来・出典

「竜吟虎嘯」の由来は、中国南北朝時代の詩文集「文選」の張衡「帰田賦」となります。

竜吟虎嘯の類義語・同義語

「竜吟虎嘯」の類義語には、「以心伝心」「意気投合」「共鳴現象」「意志疎通」などが挙げられます。

竜吟虎嘯の使い方・例文

例文1.学生時代からの親友とは腐れ縁なので、会話をしなくても互いに竜吟虎嘯できる関係である。
例文2.竜吟虎嘯、コロナ渦で危機に陥った飲食店のオーナー同士が集まって会合が開かれた。
例文3.同じ趣味を持つ者は竜吟虎嘯となる事が多いそうなので、無趣味な私としては羨ましい限りだ
例文4.悪巧みを企む官僚などが夜な夜な大企業から接待を受ける現実を目の当たりにすると、竜吟虎嘯とは正にこの事なんだと実感する。
例文5.プレスリーやジョンレノンから始まり、現在はビリーアイリッシュの歌声が竜吟虎嘯として世界に浸透するのは純粋な音楽ファンとしては格別な思いで、曲を聴くと感極まってしまう。
意志疎通が出来る仲間や音楽の歌声などで「竜吟虎嘯」を使った例文となります。

竜吟虎嘯の会話例

男性
今日の夕ご飯は唐揚げにハンバーグじゃん。豪勢だね、どうしたの?
女性
あなたが食べたいと思って、頑張って作ったの!
男性
確かに今日はボリュームがあるのを食べたいと思っていたけど、でもどうして分かったの?
女性
それは夫婦だから、何となく分かるのよ相手の事が。多分私達は前世でも竜吟虎嘯な関係ができていたと思っているわ。

夫の気持ちを察知できるとする妻との仲睦まじい夫婦の会話です。

竜吟虎嘯の豆知識

「竜吟虎嘯」から「気持ち」に関する四字熟語は、吐く息と吸う息から作業などがぴったり合い気持ちが通じ合う「阿吽之息」、心が動かされずに一つの事に集中する「一意専心」、節操がなく気分次第で気持ちが動く「内股膏薬」、染み染みとした気持ちの「感慨無量」、人を唆して気持ちを煽り立てる「教唆扇動」などがあります。

竜吟虎嘯の難易度

「竜吟虎嘯」は漢字検定1級から準2級相当の文字組み合わせで、”嘯”は1級で大学一般レベル、”虎”は2級で高校卒業レベル、”竜”と”吟”は準2級で高校レベルの四字熟語となります。

竜吟虎嘯のまとめ

「竜吟虎嘯」は竜や虎の鳴き声や吠える事から、相手と気持ちや考えが通じ合うという事です。苦楽を共にした夫婦や仲間や親友などは口に出さなくても理解し合えるので、そんな共鳴するような関係を表現しています。また、竜などの声を人間の歌声や楽器音色として、これらが広く響き渡るという喩えにもなります。

親子は竜吟虎嘯の関係である。
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