【泰山府君(たいざんふくん)】の意味と例文と使い方

泰山府君(たいざんふくん)

「泰山府君」とは「中国の名山である”泰山”に住む神様」です。”泰山”は道教における人の生死を司る場所として、中国でも特別な山として人々の拠り所となっています。それは現在でも変わらず、日本における富士山的なシンボルや象徴ではないでしょうか。そんな「泰山府君」についての解説となります。

泰山府君の意味

「泰山府君」の意味は以下の通りです。
・中国の名山”泰山”に住む神様の事で、人の生死を司る事ができる。
・泰山の神は道教の神や冥土の神と呼ばれ、それが転じて、日本では閻魔王の太子や書記、また人の寿命に関する神とも扱われる。
・「太山府君」とも書く。
・「東岳大帝」「東岳天斉仁聖大帝」「東岳天斉大生仁聖帝」の事でもあり同義。
・「たいさんぷくん」「たいざんぶくん」とも読む。
”泰山”は「中国山東省の東岳の名山」「高くて大きな山」「信仰対象で神が住む山」、”府君”は「群の最高位の長官」「神様」となり、古くから中国では泰山には神様が住むとされ、そこから誕生した言葉が「泰山府君」です。解釈の違いもあり正しい意味は難しいですが、現在の日本では、「人の生死を司る神(または人)」といったニュアンスで使われます。それは、泰山は昔から死者の霊が集まる特別な場所で、そこに住むの神様は最高神として人々に信仰されてきました。また、泰山がある東岳は道教の聖地であり精神的な面で国民を支える、日本でいう富士山のような扱いです。故に、歴代の皇帝が儀式を行うなど、その地位を不動のものにしています。そんな背景から、人の寿命や生死や死者を司る神とされ、日本でも陰陽道の神として特別な扱いとなっています。

泰山府君の由来・出典

「泰山府君」の由来は、中国後漢時代の志怪小説集「捜神記」となります。

泰山府君の類義語・同義語

「泰山府君」の類義語には、「東岳大帝」「太山府君」などが挙げられます。

泰山府君の使い方・例文

例文1.中国では亡くなると、人の霊が泰山府君に集うと言われている。
例文2.横浜生まれで中華街を愛する友人は、当然ながら泰山府君を信仰している。
例文3.泰山府君が中国人の死生観や心の拠り所となっているのは間違いない。
例文4.泰山の神である泰山府君が現在の中国の経済発展を天から支えたと言っても過言ではないだろう。
例文5.仕事が上手くいかず全てを投げ出したくなった時に、泰山府君が住む方角をぼんやり眺めていたら、少しずつ気分が落ち着いてきた。
中国の名山で生死を司る神の「泰山府君」についての例文です。

泰山府君の会話例

男性
日本人は富士山が好きだよね。
女性
日本人だけでなく、外国人も好きだよ。
男性
そうだったね。最近は本当に人気で、富士山を登っても人だらけって言うよね。ところで、中国における富士山のような役目の山って何?
女性
それは泰山府君でしょう。高さは半分以下の1500mほどだけど、古代中国から神聖な儀式が行われたり、今でも生死を司る神という扱いになっているのよ。

富士山と泰山について比較めいた会話をしています。

泰山府君の豆知識

「泰山府君」も連なる中国の五岳についての解説です。五岳は道教の聖地である5つの山々で、今回の「泰山府君」は東岳泰山で山東省にあり、世界遺産にも認定されています。他には、湖南省の南岳衡山、河南省の中岳嵩山、陝西省の西岳華山、山西省の北岳恒山があります。

泰山府君の難易度

「泰山府君」は漢字検定準2級から10級相当の文字組み合わせで、”泰”は準2級で高校レベル、”府”は7級、”君”は8級でそれぞれ小学校中学年レベル、”山”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

泰山府君のまとめ

「泰山府君」は中国の名山である”泰山”に住む道教の神様の事です。その神様は人の生死を司るとして、古代中国から特別な存在として祭られてきました。日本でも陰陽道の神として、絶対視されています。”泰山”は死者の霊魂が集うので、そこから、人間の生死や寿命などを裁く神が「泰山府君」なのです。

泰山府君を表す画。
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