意志薄弱(いしはくじゃく)
｢意志薄弱｣とは文字通り、自らの意志が弱い事です。すると、思わず自分の事ではないかと、急に現実に戻ってしまう人もいるでしょう。誰もが多かれ少なかれ弱い部分を持っていますが、改めて四字熟語となると冷静に分析出来て、逆に良いのではないでしょうか？ それでは、｢意志薄弱｣の解説となります。
意志薄弱の意味
｢意志薄弱｣の意味は以下の通りです。
・自分の意志が弱く忍耐･努力･決断力に欠け、また物事を我慢する事ができない。
・意志が弱く、自らが決めた事も人の意見に左右され翻す事もある。
・最後までやり遂げる力や我慢強さが足りず、またおだてに弱い面もある。
｢意志薄弱を｣一言で申すなら｢意志が弱い｣で、上記の説明も結局はこれに尽きます。誰もが意志の弱さを持っていますが、絶対に譲れない部分や頑固なところも同時にあるのですが、｢意志薄弱｣と形容するのはそれすらもない人の事です。己が無いので人の意見に流され、またそれすら後々に翻す事もあります。第三者から見たら、最も信用できないタイプが｢意志薄弱な人｣でしょう。ある意味で、人を貶す際の最上級の侮辱用語の一つではないかと思ってしまいます。”意志”は｢目的のはっきりした考え｣｢積極的な心ぐみ｣｢考え｣、”薄弱”は｢意志や体力が弱い｣｢曖昧ではっきりしない｣｢頼りない｣となります。
意志薄弱の由来・出典
｢意志薄弱｣の由来は、残念ながら不明です。四字熟語なので中国発祥と思われがちですが、｢意志障害｣や｢意志欠如｣といった医療用語から派生したという説もありますが、信ぴょう性は分かっていません。文献としては、小説家･長与善郎の｢竹沢先生と云ふ人｣(1924年)に文言が残されています。
意志薄弱の類義語・同義語
｢意志薄弱｣の類義語には、｢優柔不断｣｢薄志弱行｣などが挙げられます。
意志薄弱の使い方・例文
例文1.兄弟揃って意志薄弱なので双方共に転職歴が多く、顔を合わせると｢今度の仕事は何年続いた｣と笑い話になる。
例文2.意志薄弱は自らを守る知恵であると、バイトすら長続きしない友人が語り始め興醒めした。
例文3.妻はママ友とのランチ付き合いが止められず、意志薄弱な性格は結婚して子供が出来ても変わらないんだと痛感した。
例文4.意志薄弱なので、どんなに健康診断結果が悪くてもダイエットが続かない。
例文5.意志薄弱なのに短気という最悪な組み合わせで、指摘されると逆ギレで手に負えなくなる。
意志が弱い人を｢意志薄弱｣とした文章例です。
意志薄弱の会話例
職場同僚男女が、互いにダイエットが成功しない事を意志薄弱として納得しています。
意志薄弱の豆知識
”薄弱”を使った四字熟語は｢意志薄弱｣しかありません。この事を踏まえても、前述したように医療用語など他から派生した説を掘り下げる必要がありますが、現時点では分かっていません。一方、似ている言葉｢精神薄弱｣は、かつての日本で法律用語として使用されていましたが、1999年からは｢知的障害｣に変更されました。変更理由として、｢精神薄弱｣は｢意志薄弱｣を連想させ、精神が弱いと感じさせるとの意見が根強かったからです。文献から1924年以降には｢意志薄弱｣は存在し、｢精神薄弱｣は1941年以降には定着したとされています。｢精神薄弱｣の以前は、白痴･低能など現代では差別用語や禁止用語に該当するものが普通に使われていました。よって、さらに時代が進めば”薄弱”も使用不可能となり、｢意志薄弱｣という言葉そのものが消えて無くなるかも知れません。
意志薄弱の難易度
｢意志薄弱｣は漢字検定4級から9級相当の文字組み合わせで、中学校から小学校低学年レベルの四字熟語となります。
意志薄弱のまとめ
｢意志薄弱｣は、非常に意志が弱い人の事で、忍耐や努力などに欠けるだけでなく、我慢する力や自分の意見すら人に左右され翻すという始末です。俗に言う、呆れるほど意志がない人ですが、だからこそ人に対して使用する際にはトラブルの元となるので、迂闊に使用するのは注意すべきです。
