【一家団欒(いっかだんらん)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

一家団欒(いっかだんらん)

懐かしい昭和や平成初期の家族を題材にしたドラマや映画を観ていると、家族全員で食事をしているシーンがやけに多いと感じませんか? 父親を一家の主として母親が料理を作り子供達が食卓に座っているのがお約束で、それを観ている視聴者側も同じような状況という、実にデジャブの様な錯覚に陥るのです。しかしそんな微笑ましい家族像も長続きせず、視聴者のドラマへの要求変化に実社会の離婚増加や少子化、父親の残業に不景気やリストラ等々の諸問題が複雑に絡み、いつからかホームドラマは減少していったのです。皮肉な事に、その後は料理を扱う番組がどんどん増えていき、まるで家庭回帰の様になるのですから、世の中は一歩先はどうなるか分からないものです。では前置きが長くなったので、仲が良い家族を象徴する「一家団欒」についての解説となります。

一家団欒の意味

「一家団欒」の意味は以下の通りです。
・家族全員が集まって仲良くする事。
・家族が集まって食事をしたり話が盛り上がる様子。
”一家”は「一つの家族」「家族全体」「同じ家族」、”団欒”は「親しい者が集まって楽しい時を過ごす」「楽しい会合」「月など丸いもの」「集まって車座に座る」となり、「家族が楽しい一時を過ごす」という上記の様な意味合いとなります。基本的には、自宅での一家勢揃いした夕食時を表現する事が多いですが、それ以外でも外食時や親戚も含めたり、こたつを囲みながらというのがよくある「一家団欒」のパターンです。穿った見方をするなら、両親に子供や場合によって祖父母なども含めて3人以上の家族で使われるもので、夫婦だけや離婚した親子二人世帯ではいくら家族全員とはいえ、あまり「一家団欒」とは使いません。大人数だからこそ理想も込みで相応しく、最近では愛犬や愛猫もセットとなりつつあります。また、現在の不景気な状況から裕福な家庭は「一家団欒」が必然的に多く、貧しい家庭は少なくなる傾向もあります。実際の使用例としては、「一家団欒の食卓」「一家団欒を楽しむ」といった形になります。

一家団欒の由来・出典

「一家団欒」の由来は、残念ながら不明です。中国発祥と推測できますが、それ以上は分かりません。文献としては、明治時代の日本の啓蒙思想家・中村正直の「漢学不可廃論」(1887年)に文言が記されています。

一家団欒の類義語・同義語

「一家団欒」の類義語には、「親子団欒」「家族団欒」「夫婦団欒」などが挙げられます。

一家団欒の使い方・例文

例文1.週末の夕食時にファミレスへ出向くと一家団欒中の家族が幸せそうなので、殺伐とした裏通りの雀荘で勝負しながら出前の温いラーメンを食べる方が性に合っている。
例文2.いつか大人になったら幸せな家庭を築き一家団欒をするのが当たり前だと思っていたが、気が付いたら40代後半に突入し体調悪化から入院し、同室の患者との談笑が楽しみになってしまった。
例文3.偶に訪れる貴重な一家団欒の時に限って、仕事トラブルで呼び出しがかかる。
例文4.芸能人は庶民的な一家団欒よりも、愛人との密会を選ぶべきだと勝手ながらに思ってしまう。
例文5.月に数回訪れる娘達との一家団欒の夕食は最高の贅沢だが、手抜き料理が得意な妻はそんな日でも冷凍食品とデパ地下惣菜で誤魔化す。
捻くれた形で「一家団欒」を使った例文となります。

一家団欒の会話例

男性
ただいまー。おっ、珍しく家族全員がリビングに集まって、随分楽しそうだな!
女性
おかえりー。あなたが帰ってきたから、これで本当の一家団欒の完成ね。
男性
もう俺抜きで盛り上がっていたじゃん。ん…、ところでこれって、有名ケーキ店の紙袋だよね。俺の分は…。
女性
ごめん。丁度三人分しかなくて私と子供達で今食べ終わったところなの。

夫が仕事帰りに帰宅したら、妻と子供達だけで高級ケーキを食べ終わっていたというオチです。

一家団欒の豆知識

中国における現在の「一家団欒」事情についての解説となります。日本よりも中国の方が家族を大切にするイメージがありますが、近年の経済発展に伴いその習慣や文化も大きく様変わりしているそうです。大都会は若者の一人暮らしや核家族も増えていますし、何より中国の旧正月・春節は確かに都会から地方に戻る帰省客も多いですが、一方で海外へ旅行する人も年々増加しています(コロナ前までは)。ですから、旧正月だからと昔ながらの「家族団欒」になるのは、日本同様に中国も少なくなっているのが実情なようです。

一家団欒の難易度

「一家団欒」は漢字検定1級から10級相当の文字組み合わせで、”欒”は1級で大学一般レベル、”団”は6級で小学校高学年レベル、”家”は9級、”一”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

一家団欒のまとめ

「一家団欒」は家族全員が集まり夕食を取ったり、会話が弾む様子の事です。要は、仲睦まじい家族の姿で、昔はこんな家族が多かったようですが、近年は離婚や共働きなどもあって「一家団欒」となる機会が減少しつつあります。だからこそ、心の奥底では「家族団欒」を求めている人も多いのでしょう。

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