【烏飛兎走(うひとそう)】の意味と例文と使い方

烏飛兎走(うひとそう)

四字熟語の不思議であり奥深いと感じさせる要因に、非常に良く似た意味を持つ言葉があまりにも多い点が挙げられます。そして、今回の「烏飛兎走」を逆にした「兎走烏飛」の様に、逆さにしても同義となるのも大変多いです。そもそも四字熟語の多くは漢詩から抽出し成立させているので、後から逆さにしやすいのもあると思います。では少々脱線しましたが、「烏飛兎走」の解説となります。

烏飛兎走の意味

「烏飛兎走」の意味は以下の通りです。
・歳月が過ぎ去る。月日の流れは早い。
・歳月があわただしく過ぎ去る。時間があっという間に流れる喩え。
・逆にした「兎走烏飛」も同義となる。
”烏飛”は「(中国の伝説で)太陽に住むカラスが飛び立ち」、”兎走”は「(同じく伝説上の)月に住む兎が走り出す」事です。”烏”は太陽から「日」、”兎”は「月」となるので、これらが飛んだり走るのは太陽や月がそれだけ動いたとなるので、「歳月が過ぎ去る」となります。やや強引な解釈ですが、要するにこれで上記の様な意味合いです。

烏飛兎走の由来・出典

「烏飛兎走」の由来は、古代中国の偉人・荘南傑がつくった詩(句)の「傷歌行」です。

烏飛兎走の類義語・同義語

「烏飛兎走」の類義語には、「烏兎匆匆」「歳月不待」「露往霜来」などが挙げられます。

烏飛兎走の使い方・例文

例文1.小さかった娘が中学校に入学するのだから、烏飛兎走と実感するのも当然だ。
例文2.タンス奥に眠るアルバムから懐かしい写真を整理していると、烏飛兎走からセンチメンタルな気持ちになった。
例文3.風呂上りに鏡を見つめたら、見知らぬ中年が立っていた。それが自分だとは、烏飛兎走の恐ろしさを目の当たりにした。
例文4.学生時代の友人と毎年忘年会を開催するが、烏飛兎走を感じない事は一度もない。
例文5.大晦日に家族で紅白歌合戦をテレビで観ると、頭の中では全員が烏飛兎走となり走馬灯の様な一年を思い返しているのだろう。
年月が流れるのは早いとした「烏飛兎走」を使った例文となります。

烏飛兎走の会話例

男性
あれ、今年の紅白の目玉や注目って誰だっけ?
女性
うーん難しいけど、あの国民的アイドルグループじゃないの?
男性
国民的アイドル? AKBとか?
女性
それって何年も前ですよ! でも音楽やアイドルって特に烏飛兎走を感じるから、誰が最新で勢いがあるのか分かり辛いかも知れないですね。

男女が紅白歌合戦について会話をしていて、男性が旬のアイドルを知らない事から歳月の流れを実感するというやり取りです。

烏飛兎走の豆知識

「烏飛兎走」の様に”烏”を使った四字熟語は大変多く、「烏獲之力」「愛及屋烏」「烏白馬角」などがあり代表となるのは「烏合之衆」ではないでしょうか。基本的には”烏”はカラスとして鳥や集団を意味しますが、場合によっては人名となる場合もあります。現在の日本では不吉な意味合いや嫌われ者でもある”烏”ですが、中国や東アジアでは古代から「三足烏」として伝説の生き物として祭られ、また太陽の象徴とされてきました。それもあって、日本サッカー協会や日本代表のシンボルマークだけでなく、天皇家とも密接な関係がある八咫烏としても有名です。

烏飛兎走の難易度

「烏飛兎走」は漢字検定準1級から9級相当の文字組み合わせで、”兎”と”烏”は準1級で大学一般レベル、残り二文字は小学校中学年から低学年レベルの四字熟語となります。

烏飛兎走のまとめ

「烏飛兎走」は、歳月の流れは早いという意味の四字熟語です。要するに、歳月が早く流れる喩えとして用いられ、時代や季節の過ぎ去りを形容します。類似の四字熟語は大変多いので厳密な使い分けはありませんが、古代中国では”烏”は太陽、”兎”は月を象徴していて、「三足烏」は日本サッカー協会や天皇家とも関係深いです。

楽しい時間は烏飛兎走だ
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