【心機一転(しんきいってん)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

心機一転(しんきいってん)

「心機一転」は認知度では四字熟語のトップクラスに君臨するであろう、あまりにも有名な言葉です。また進学や就職、部署移動や転職に引っ越しなど、「心機一転」に相応しい状況に遭遇する事が人生にはあまりにも多く、その度に自然と使われる言葉なのです。ですから、意味はきっと理解しているでしょうが、由来などは案外知らないと思うので、その辺りを含めて詳しく解説させて頂きます。

心機一転の意味

「心機一転」の意味は以下の通りです。
・何かをきっかけに気持ちが良い方向に変化する。
・ある出来事から新たな気持ちや態度で臨める。
・気持ちを一新する。明るい気持ちに切り替えてやり直す。
「心機一転」は”心機”が「心の働き」「気持ち」、”一転”は「一回り」「全てがいっぺんに変わる」「ひっくり変える」で、上記の様な意味合いの言葉です。端的に言うと「気持ちが変わる」ですが、飽く迄も前向きでありポジティブに気持ちが変化する事なので、恨み辛みなどネガティブな心変化は「心機一転」とはなりません。前文で触れたような転職や引っ越しなどの大きなイベントだけでなく、コーヒーを飲んだりタバコを吸うなどの休憩めいた些細な事でも、当人が気持ち切り替えに成功しその後の仕事などが捗るなら「心機一転」に十分値します。

心機一転の由来・出典

「心機一転」の由来は、残念ながら不明です。仏教用語に「一転語」というものがあるので、仏教とも関係深いと推測できますが詳細は分かりません。文献としては、昭和を代表する小説家の一人・幸田露伴の「いさなとり」(1891年)などに文言が残されています。

心機一転の類義語・同義語

「心機一転」の類義語には、「気分一新」「方針転換」「緊褌一番」などが挙げられます。

心機一転の使い方・例文

例文1.世界一のサッカー選手が何年間も欧州のクラブチャンピオンにチームを導けない事から心機一転で移籍を志願したが、結局は超高額な移籍金や家族問題から残留すると表明をした。
例文2.上司が変わったので心機一転して仕事に精が出てきそうだ。
例文3.ストレスから塞ぎ込んでいたが、心機一転で新たに頑張れるようになったのは妻の支えが大きい。
例文4.満員電車に乗るとストレスが半端なく、そこで最近は心機一転で自転車通勤に切り替えた。
例文5.サラリーマンが職場で唯一息を抜けるのは、絶対に個室トイレでかく言う私も心機一転を図れる唯一の場所だ。
主にリフレッシュや気分転換と同じような「心機一転」を使った例文です。

心機一転の会話例

男性
新しい先でも頑張ってね。旦那さんといつまでも幸せに。
女性
先輩やだなあ。泣かせる事言わないで下さいよ。
男性
ずっと一緒に働けると思ったけど、まさか東京から大阪に行くとは…、でも文化も真逆だけど若い夫婦には心機一転で良いかも知れないね。
女性
はい。旦那が急に転勤となり、私も新婚で別々に暮らすのは嫌だったので…。無理に退職となりましたが、先輩や皆さんには感謝しています。

同僚女性が夫の都合で急に仕事を辞める事になったという会話やり取りです。

心機一転の豆知識

由来でも触れましたが、「心機一転」の”一転”は仏教用語「一転語」から派生したと推測できます。「一転語」は「心機を一転させる語」「迷いを転じて悟りを開かせる」「新天地を開かせる」という意味です。言葉としての”一転”は、“一変”や”急転”、”急変”、”激変”とほぼ同義であり、「一転して」は「打って変わって」「様変わり」といった言葉と同じような使い方となります。

心機一転の難易度

「心機一転」は漢字検定7級から10級相当の文字組み合わせで、”機”と”転”は7級と8級で小学校中学年レベル、”心”と”一”は9級と10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

心機一転のまとめ

「心機一転」は、気持ちが良い方向に変化する、ある出来事を切っ掛けに新たな気持ちで臨めるといった意味の四字熟語です。進学や就職、引っ越しや転職など新しいイベントで使われる事が多いですが、気分転換や気分一新などと同じ感じの軽い表現としても頻繁に使われます。

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