【和洋折衷(わようせっちゅう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

和洋折衷(わようせっちゅう)

「和洋折衷」とは「日本と西洋の文化様式を合わせ、日本ならではの様式に再構築したもの」です。昔を舞台にした漫画や映画などをみると、江戸時代までは日本独自の完全なる和風一色ですが、明治や大正が設定になると少しずつ西洋の影響下にあると感じられるものです。そこには「和洋折衷」や「文明開化」などの西洋文化を取り入れた背景が大きく関係していたようです。そんな洋風と和風を適度に合わせる「和洋折衷」についての解説となります。

和洋折衷の意味

「和洋折衷」の意味は以下の通りです。
・日本と西洋の様式を取り合わせた建築や生活様式などの事。
・和風と洋風を適度に合わせたもので、明治時代頃から食文化や建築などで定着した考えや様式。
”和洋”は「日本と西洋」「日本風と西洋風」「和風と洋風」、”折衷”は「異なる考えの良いものを一つに合わせる」「異なるものを調和させる」となり、西洋文化と日本文化のそれぞれ良い点を合わせて日本独自の様式にしたのが「和洋折衷」です。主に食生活(食文化)や建築で使われる事が多い表現で、例えば食文化なら和風スバゲッティ・和風スイーツ・和風デザート等々、建築なら神奈川県箱根町の富士屋ホテル、青森県五所川原市の斜陽館などの洋風の影響を強く感じさせるが、それを日本独自のテイストで仕上げた建物等々の事です。建築の場合は特に「和洋折衷建築」とも呼ばれ、歴史的な価値が高い重要な文化財に指定されている場合もあります。近年はモダンな建物として再評価される傾向で、洋風といってもイタリアやスペインやイギリスやアメリカ、さらにはロシア(ソ連)などからの影響が大きく、若い世代などはこれらをオシャレなカフェにしたり、レトロな洋館として大正や明治時代を好む人達から注目を集めています。一方で、「和洋折衷」には歴史的な背景があり、日本の近代化や洋風文化が少しずつ人々に浸透していったのが大きく関係しています。要するに、小説などの書籍や音楽や映画やファッションなどの文化が新しく入ってくるようになったので、当然ながら未知なるものに強く影響を受ける人々が日本でも増えていったのです。そんな中には芸術思考が強い人も多く、西洋な雰囲気を取り入れた建物を設計したり、或いは料理好きなら同じように新しい味覚として積極的に取り入れて、日本独自の食文化が一気に花開いたのです。洋服などファッションも同様で、これまでは和服や着物が明治時代以前の常識でしたが、明治時代に入ると最初に日本軍に軍服が導入され、次第に一般人にも背広やスカートなども取り入れられたのです。その過程では和服ながらも西洋の影響を感じさせるファッションなども人気となり、これらが特に現在の「和洋折衷」として「和モダン」や「和洋折衷コーディネート」とも呼ばれています。

和洋折衷の由来・出典

「和洋折衷」の由来は、江戸時代末期の朱子学者・斎藤拙堂が唱えたのが始まりとされています。

和洋折衷の類義語・同義語

「和洋折衷」の類義語には、「和魂漢才」「和魂洋才」などが挙げられます。

和洋折衷の使い方・例文

例文1.オシャレな友人に秘訣を訊ねたら、和洋折衷のバランスだと自信満々に答えて、少しイラッとした。
例文2.隣町に人気の洋菓子店がオープンし、和洋折衷なケーキなどがさっそく評判を博している。
例文3.独り暮らしを始めるにあたり、折角ならとことん拘りたいと和洋折衷な物件を求めて不動産屋をハシゴする事にした。
例文4.彼女がアメリカ人なので、和洋折衷な生活スタイルは日常茶飯事で私達にとっては少しも驚きではない。
例文5.SNS上には和洋折衷好きをアピールする人が続々と多くいるが、そこには好みの自己主張もあるが異性へのオシャレアピールもあるのだろう。
オシャレやセンスが良いとして「和洋折衷」を使った例文となります。

和洋折衷の会話例

男性
この部屋、それにしてもオシャレだね!
女性
和風と洋風のバランスが見事で、独自色を出しているよね。こんな部屋で私も生活がしたい。
男性
うんうん。和洋折衷な空間って感じだね。でも、Go Toトラベルで旅行にやってきて本当に良かったよね?
女性
ホテルは素敵だし空気も美味しい。仕事を忘れて、久しぶりの開放感を味わっているわー。あー幸せ。

恋人同士が久しぶりに旅行にやってきて、オシャレなホテルの部屋で充実感を味わっている会話内容です。

和洋折衷の豆知識

「和洋折衷」から”西洋”に関する四字熟語は、赤い髪と青い眼で西洋人の「紅毛碧眼」、世の中が進歩する事で明治時代の思想や文化が急激に近代化した「文明開化」、日本の精神を失わずに西洋の学問を摂取し活用する「和魂洋才」などがあります。

和洋折衷の難易度

「和洋折衷」は漢字検定準2級から8級相当の文字組み合わせで、”衷”は準2級で高校レベル、”折”は7級、”和”と”洋”は8級でそれぞれ小学校中学年レベルの四字熟語となります。

和洋折衷のまとめ

「和洋折衷」は明治時代や大正時代になって急激な西洋文化の流入によって誕生した言葉で、日本と西洋の様式を取り合わせて独自に発達した日本ならではの料理や建築やファッションなどの事です。従って、文明開化などと同じような重要な意義がある言葉で、現在では料理などは日本独自のスタイルとしてすっかり定着していますし、建築物などは歴史的な価値が際立っています。

友人の家庭は、和洋折衷なインテリアが並ぶ。
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