【円転滑脱(えんてんかつだつ)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

円転滑脱(えんてんかつだつ)

学生時代も少しは存在しましたが、社会に出るとさらにとんでもなく人付き合いが上手い人っていますよね。何と言うか、コミュニケーション能力が抜群に高い人です。空気を読みまくり、そして人に対しても優しく接して、円滑な関係を誰とでも築いてしまうのです。「円転滑脱」とはそんな人を表現する言葉で、若い人に言わせると「陽キャ」などに近いと思います。では、どの様な意味合いや由来などがあるのか調べてみました。

円転滑脱の意味

「円転滑脱」の意味は以下の通りです。
・物事が円滑で順調に進む。物事をそつなくこなす。滞りなく進行する。
・言動が角立たず自由自在な事。人への対応が巧みである。
・動きが滑らか。滑らかで自在に変化する。
”円転”は「丸く回る」「転がる」「滞ったりしないで滑らか」「言動に角が立たない」、”滑脱”は「自由自在に変化」「滞らない」「滑り外れる」で、どちらも「滞らない」を強調して、そこから「滑らか」や「順調」といった意味合いとなります。そこから人付き合いが巧みであったり、物事をスムーズに対応できるとなります。よって、トラブルなどが起きた時に人の本質が出やすいですが、そんな時にもそつなくこなすのが「円転滑脱」と理解できます。さらに、言動や態度もスマートで、上品さや賢さなどが垣間見える感じというと理解しやすくなると思います。要するに、何でも巧みに処理して失敗や間違いを犯さないのです。実際の使い方としては、「円転滑脱にこなす」「円転滑脱な人」「円転滑脱な対応」といった形が多くなります。

円転滑脱の由来・出典

「円転滑脱」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、明治や大正時代を代表する小説家・徳冨蘆花の「思出の記」(1900年)などに文言が記されています。

円転滑脱の類義語・同義語

「円転滑脱」の類義語には、「円滑洒脱」「円融滑脱」「阿轆轆地」などが挙げられます。

円転滑脱の使い方・例文

例文1.人との争い事が嫌いなので円転滑脱な人生を送ろうと、現在は離島での生活を模索中だ。
例文2.クレーム対応の電話オペレーターは円転滑脱にこなす巧みなスキルを持ち合わせているので、社会はもっと高く評価すべきだと思えてならない。
例文3.大企業や役所などは仕事能力が高い人よりも、円転滑脱で上司や部下の調整役の様なタイプが出世していくので、だから日本経済は世界に遅れていく。
例文4.弟は典型的な円転滑脱タイプで、だからどんな事でもそつなくこなして、兄ながらにどこでそんな処世術を学んだのか気になって仕方がない。
例文5.世間では円転滑脱なタイプは賢いと評価されがちだが、良い子ちゃんすぎて面白味がないのも事実で、もっと野性味あるタイプの方が個人的には信用できる。
「円転滑脱」な様々なタイプについての例文となります。

円転滑脱の会話例

男性
ただいま帰りましたー! あれ、課長はいないの?
女性
課長はちょっと、他の部署に呼ばれているみたいです。
男性
また問題対応の助っ人に呼ばれたんじゃない? 課長は調整役として能力高いから。
女性
どちらにもバランス良く対応する円転滑脱な達人ですからね。さすが課長ですよ。

職場にて、同僚男女2人が上司である課長の調整能力を称賛する会話をしています。

円転滑脱の豆知識

「円転滑脱」の様に円滑や順調といった意味の四字熟語は先ほど類語で紹介した以外にも、「上昇気流」「無為不言」「春風得意」「一路順風」など多数あります。これらは基本的には順調で調子が良い様ですが、反対となる不調や難航という意味の四字熟語は殆どありません。

円転滑脱の難易度

「円転滑脱」は漢字検定3級から10級相当の文字組み合わせで、”滑”は3級で中学卒業レベル、”脱”は4級で中学レベル、”転”は8級で小学校中学年レベル、”円”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

円転滑脱のまとめ

「円転滑脱」は物事が滑らかに進む、言葉や態度を自在に変化させ角を立たせないという意味になります。要するに、円滑なコミュニケーションが得意で、人間関係における問題点を巧みに処理する能力に長けている事です。それが能力高いと評価されたり、物事に拘らないと見られるのでしょう。

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