【虎頭蛇尾(ことうだび)】の意味と例文と使い方

虎頭蛇尾(ことうだび)

“虎”や”蛇”という言葉から「強さ」「攻撃」「生命力」「悪者」などが容易に想像でき、また四字熟語では「虎視眈々」「竜騰虎闘」「画蛇添足」などを思い浮かぶ人が多いのではありませんか? 今回の「虎頭蛇尾」はそんな虎や蛇に対するイメージが崩壊しそうですが、もしかしたらこちらが本来の姿なのかも知れないと考えさせられました。では、どの様な意味なのか解説させて頂きます。

虎頭蛇尾の意味

「虎頭蛇尾」の意味は以下の通りです。
・最初だけ勢いが良く最後は振るわない。盛んなのは始めだけで終わりになると無くなる。
・頭が大きく立派な虎だが尾は蛇のように細い事から、ぱっとしないという喩え。
・諺「頭でっかち尻つぼみ」、四字熟語「竜頭蛇尾」と同義。
”虎”と”蛇”が登場する四字熟語なので獰猛しいイメージもありますが、実際は真逆で「勢いがない」や「ぱっとしない」といった喩えとなるのが「虎頭蛇尾」です。より詳しく言うと、最初は勢いがあるが最後はダメになるや、始めだけ大きく終わりは小さいとなります。”虎頭”は「虎の頭」、”蛇尾”は「蛇の尻尾」で、そこから上記の様な意味合いです。また諺「頭でっかち尻つぼみ」の事でもあるので、始めは勢い良いが最後はだらしがないとも解釈できます。

虎頭蛇尾の由来・出典

「虎頭蛇尾」の由来は残念ながら不明です。文献としても、文言が記されているものが発見されていません。類義語である「竜頭蛇尾」の由来は古代中国の仏教書「碧巌録」の「景徳伝灯録」なので、そこから派生したと考えられますが憶測の域を出ていません。

虎頭蛇尾の類義語・同義語

「虎頭蛇尾」の類義語には、「竜頭蛇尾」「羊頭狗肉」などが挙げられます。

虎頭蛇尾の使い方・例文

例文1.若くして成功した人ほど虎頭蛇尾になりやすい。例として大活躍したスポーツ選手などは晩年は借金から破産する人も多いようだ。
例文2.飽きっぽい性格なのか、旅行なども最初は楽しいがだんだんと無性に家に帰りたくなる。これこそ虎頭蛇尾のような性分によるところだ。
例文3.失礼な言い方だが、五輪で盛り上がるマイナースポーツは虎頭蛇尾の典型だろう。日本人選手がメダル獲得するものなら一時的には大人気となるが、その後は失速する。
例文4.地方都市の寂れた現状を見る度に、虎頭蛇尾の典型的な街づくりの失敗例だと思う。駅前だけ新しくしたり公共工事を無理に続けるのは、現代にまったく合っていない。
例文5.虎頭蛇尾というと政治家を思い出す。選挙中は必死に票集めに奔走するが、当選するや否やまったく何もしないで報酬だけきっちり満額もらっていく。
「虎頭蛇尾」を使った皮肉めいた例文となります。

虎頭蛇尾の会話例

男性
いよいよ、待ちに待った運動会の日だよ。
女性
あなた、そんなに張り切らないでね? 去年のようにならないで下さい。
男性
今年は大丈夫。みっちり走り込んで鍛えてきたから、虎頭蛇尾になる事はないよ。
女性
そうだといいですけど…。最初だけ速くても、途中で抜かれ最後はビリ争いだと、息子のガッカリも倍増するのよ。

息子が通う小学校の運動会で父兄競技に張り切る父親と、去年の二の舞でビリ争いと心配する母親の会話です。

虎頭蛇尾の豆知識

「虎頭蛇尾」とは直接関係ありませんが、平安時代の作家・紫式部の「紫式部日記」によると、虎の頭の形をした被り物「虎の頭」を潰して産湯にすると、赤子の穢れを払い(虎のように)丈夫に育つと信じられていました。この事からも、現在の日本には虎は自然界には生息していませんが、この時代やそれ以前は棲んでいたと推測ができます。

虎頭蛇尾の難易度

「虎頭蛇尾」は漢字検定2級から9級相当の文字組み合わせで、”虎”と”蛇”は2級と準2級で高校卒業から高校レベル、”尾”は4級で中学レベル、”頭”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

虎頭蛇尾のまとめ

「虎頭蛇尾」は、迫力がある虎の頭と細い蛇の尾から、最初だけ勢いがあり最後はダメになるという、典型的な失敗や尻つぼみの喩えとなります。諺「頭でっかち尻つぼみ」、四字熟語「竜頭蛇尾」とも同義で、虎と蛇を用いても力強さや攻撃性とは正反対の四字熟語です。

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