【玉石混淆(ぎょくせきこんこう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

玉石混淆(ぎょくせきこんこう)

スピーチで用いられやすい人気の四字熟語というものがあります。例えば「画竜点睛」「金科玉条」「臥薪嘗胆」などはその筆頭で、前向きな意味やメッセージ性、そしてシンプルさが人気や支持に結びついています。今回の「玉石混淆」もその一つで、特に会社社長など大勢を引っ張る立場の人が好んで使う印象があります。それでは、どの様な意味があるから人気なのか調べてみました。

玉石混淆の意味

「玉石混淆」の意味は以下の通りです。
・優れたものと劣ったものやつまらないものが入り混じっている。
・価値あるものと無価値なものが混ざり一緒になる。
・良い物と悪い物、賢者と愚か者の喩え。
・「玉石混交」も同義となる。
”玉石”は「玉(優れたもの)と石」「良い物と悪い物」「宝石」、”混淆”は「様々なものが入り混じる」「混ざる」で、優れたものと劣ったものが混ざるとなります。元々は、沢山の石の中には美しい玉と無用な石が混ざっている事から、それらは表裏一体で常に混ざっているとなります。要するに、ある一定数の中には、良い物も悪い物の満遍なく入っていると伝えています。良い物だけ、反対に悪い物だけにならず、適度なバランスを保っているのが「玉石混淆」なのです。ですから、前文のように会社社長などがスピーチで好むのは、世の中には様々な人がいるとして、会社も様々な能力を持っている人が合わさり互いに補いながら成長し、会社に貢献し高めるとして「玉石混淆」が好まれるのです。

玉石混淆の由来・出典

「玉石混淆」の由来は、中国戦国時代の道教研究家・葛洪による著書「抱朴子」の「外篇・尚博」となります。

玉石混淆の類義語・同義語

「玉石混淆」の類義語には、「玉石雑糅」「玉石同架」「種種雑多」「魚目混珠」などが挙げられます。

玉石混淆の使い方・例文

例文1.芸能界は玉石混淆な人材の宝庫で、美男美女のモデルから東大出身者、お笑い芸人、元スポーツ選手などが入り交ざっている世界だ。
例文2.東京でも驚いたが、ニューヨークやロンドンはさらに輪をかけた多人種の集まりで玉石混淆な人々が生活をしている街だ。
例文3.かつてはデパートや質屋だったが、今ではアマゾンなど通販サイトの取り扱い商品が玉石混淆で、激安なお得商品から驚く様な高額商品が販売されている。
例文4.流行の有名なIT企業などは、玉石混淆な人材を集めるのに躍起で、最終学歴をあまり重視しない場合も多いが、地方企業ほど学歴を重視する。
例文5.荒らされる事で有名な某掲示板は、玉石混淆な書き込みで溢れるが、その中に一部有益な情報がある場合もある。
「玉石混淆」を良い物と悪い物を混ぜ合わせたと解釈した例文となります。

玉石混淆の会話例

男性
おっ、手作り弁当! 美味しそうだね。
女性
前日の余り物を入れただけなので、そんなに大したものじゃないですよ。
男性
そんな事ないよ。凄く美味しそうだよ。
女性
本当に余り物や冷食を適当に入れた玉石混淆な弁当なんです。先輩に見られるなら、気合入れて作ってくれば良かったです。

職場の同僚男女の昼食休憩時の会話です。女性は余り物で作った弁当を「玉石混淆」と表現します。

玉石混淆の豆知識

「玉石混淆」の”玉”とは、美しい石で要は宝石の事です。古代中国では白玉や翡翠が特に有名で高価とされ、それは現代の日本でも同じです。因みに、最近人気の将棋ですが、かつては”玉将”しかなく双方が”玉”の駒を使っていたが、将棋好きで知られる豊臣秀吉の考案によって”王将”が誕生し、その後は格上である実力者が”王将”、格下が”玉将”となったという説があります。

玉石混淆の難易度

「玉石混淆」は漢字検定1級から10級相当の文字組み合わせで、”淆”は1級で大学一般レベル、”混”は6級で小学校高学年レベル、残り二文字は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

玉石混淆のまとめ

「玉石混淆」は、宝の石と無価値な石が混ざっている事から、優れたものと劣っているものや良い物と悪い物、また賢者と愚か者などの喩えとなります。会社の人材や様々な商品などを評する際に「玉石混淆」と用いるのがよくあるパターンです。

人は玉石混淆である事は真理である
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