【欠席裁判(けっせきさいばん)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

欠席裁判(けっせきさいばん)

「欠席裁判」は文字からも、被告人なりが欠席した上で裁判が行われる事だと推測が出来ます。しかし、具体的にはどの様な裁判であるのかは、素人には判断がつかないものです。また、日常生活でも時々「欠席裁判」という言葉を耳にした事があると思います。それでは、それぞれにどの様な意味合いがあるのか調べてみました。

欠席裁判の意味

「欠席裁判」の意味は以下の通りです。
・被告人が欠席した状態の裁判。
・裁判における出席した者の主張だけに基づき、欠席者には不利な判決となる。
・被告人が欠席した裁判から、転じて、その場にいない人の批判や悪口、また面倒事を押し付けて決定する事。
・「欠席判決」と同義。
”欠席”は「出席すべき事に出ない」「会合などを休む」、”裁判”は「物事の正と不正を判定する」「裁判所で問題事を解決する公権的な判断」となります。最近は薬物事件などで逮捕される芸能人が多くなった印象もありますが、それ以外でも事務所移籍などのトラブルは頻繁に起こっています。そこでの裁判で時折使われる専門用語が「欠席裁判」です。もちろん芸能人以外のケースでも使いますが、報道される機会が多いのは、被告人となる有名人が裁判に欠席した場合なので、必然的にその様な印象を抱きます。意味は上記の通りで、端的に言うなら、被告人が欠席状態の裁判の事です。特別な理由がない限り裁判には絶対参加するべきと思われますが、民事訴訟では弁護士が基本代理人となるので、当事者が参加しないのは一般的です。それを正式には「欠席裁判」や「欠席判決」と呼ぶので、裁判に詳しくない一般人には何か特別な大事の様に感じるのです。民事訴訟は個人間や会社との裁判ですが、薬物などの刑事訴訟では「欠席裁判」はできません。ですから、必ず出席する必要があります。薬物逮捕された芸能人が裁判所に入る際、カメラマンに撮影をされるのは、必ず出席する必要があるからなのです。一方、民事訴訟で代理人がいなかったり、答弁書を出さずに被告が裁判を欠席すると(欠席裁判)、裁判では原告の主張を認めた原告勝訴となる「擬制自白」になります。この様な裁判の仕組みを理解した上で、日常生活における「欠席裁判」として、当事者が居ない所で悪口を言ったり、面倒事を押し付ける役割を勝手に決めるといった意味合いもあります。これは、会合などに居ない人を被告人
扱いにして、その他大勢で都合良く決めるのをまるで裁判の判決に例えている事から、いつからか「欠席裁判」と呼ぶようになりました。実際にはこの使い方が多く、「欠席裁判を勝手にされた」「欠席裁判でイジメられた」といった風に使います。

欠席裁判の由来・出典

「欠席裁判」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、政治家兼反政府側の政論家・末広鉄腸の著書「花間鶯」(1887年~88年)などに文言が記されています。

欠席裁判の類義語・同義語

「欠席裁判」の類義語には、「擬制自白」などが挙げられます。

欠席裁判の使い方・例文

例文1.PTAやママ友のランチ会などは、本当に欠席裁判の温床で実にバカらしい集まりである。
例文2.知人とのトラブルから訴訟になったが、双方が欠席裁判となって最終的には取り下げで落ち着いた。
例文3.ファミレスで食事をしていたら、隣に座る女子高生グループが延々と居ない子の悪口を言いまくっていて、欠席裁判の限度を超えていると思った。
例文4.町内会では会合に出ない人にゴミ掃除係を押し付ける欠席裁判が常習化している。
例文5.芸能人が事務所との移籍ゴタゴタで裁判になっても、その多くは欠席裁判となるようだ。
実際の裁判での欠席裁判と、その場に居ない人の悪口としての欠席裁判となります。

欠席裁判の会話例

男性
元気がなさそうだね、どうしたの?
女性
パートでPTA会議に行けなかったら、欠席裁判されちゃってね…。本当に陰湿な人達よ!
男性
学校行事の手伝いを任されたんだ。今でも欠席裁判なんてあるんだね?
女性
女の世界は欠席裁判だらけよ。居ない人の悪口から、面倒な事は勝手に押し付けたりと…。本当に頭にくる!

妻がPTA会議を欠席したところ、他の役員から村八分にされて憤っているという会話です。

欠席裁判の豆知識

「欠席裁判」から裁判の歴史について、簡単に解説をします。日本においては、弥生時代にケンカの仲裁を第三者がした事が始まりとされています。奈良時代に入ると、現在の法律めいた「律令制」が導入され懲役刑や死刑などが罰によって明確になります。その後は江戸時代になると町奉行が置かれ、明治時代で大審院(裁判所)が設置され、昭和22年に日本国憲法が施行され三権分立が導入され現在の裁判制度が確立しました。

欠席裁判の難易度

「欠席裁判」は漢字検定5級から7級相当の文字組み合わせで、”裁”は5級、”判”は6級で小学校高学年レベル、”欠”と”席”は7級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

欠席裁判のまとめ

「欠席裁判」は、主に二つの意味があり、一つは被告人が欠席する裁判(民事訴訟)の事で、もう一つは被告人が欠席する事が転じて、居ない人の悪口や文句を言ったり面倒事を押し付ける事です。日常生活では後者を用いる機会が多いですが、民事訴訟では「欠席裁判」や「欠席判決」という専門用語が多々使われるので、覚えておきましょう。

欠席裁判で不利な判決を受ける
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