【論旨明快(ろんしめいかい)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

論旨明快(ろんしめいかい)

「論旨明快」とは「文章や議論などの主旨が明確で分かりやすい事」です。仕事などで他者に説明する際、どうしても回りくどくなったり複雑にするクセが抜けない人も多いですが、これでは自己満足で終わってしまいますよね。そうではなく、相手にきちんと理解できるようにより簡潔や明確にしているのが「論旨明快」です。それでは、分かりやすい文章や議論などを意味する「論旨明快」の解説を始めさせて頂きます。

論旨明快の意味

「論旨明快」の意味は以下の通りです。
・文章や議論や論文などの主旨の筋道が明快で分かりやすい事。
・議論や文章などの狙いや考えが非常に明確ではっきりしている。
”論旨”は「議論や意見の要点」「論文や議論の主旨」「議論の筋道」、”明快”は「筋道が明らかで容易」「さっぱりして気持ちが良い」で、端的に言うなら、文章や話が誰にでも分かりやすいのが「論旨明快」です。難しい内容を複雑に説明するのではなく、初めての人でも容易に理解できるようにするのが能力高い人に求められる事です。ですから、昨今は議論が白熱するとつい専門用語が飛び交い、相手を論破する事が目的となりがちですが、これでは「論旨明快」とは大分掛け離れてしまいます。具体的にはどの様な「論旨明快」かと言うと、前後の文脈が合っていたり、最初から最後まで一貫性があり筋が通っている事です。途中で中身が矛盾していると、どんなに饒舌に語っても意味はありません。そして簡単で分かりやすくまとめると、大勢は納得し賛同するものです。そこから、個人的には「単純明快」を文章や議論のみという条件付けした四字熟語が「論旨明快」ではないかと思っています。

論旨明快の由来・出典

「論旨明快」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、”論旨”は明治四年に発行された新聞雑誌の十八号(1871年)、”明快”は夏目漱石の著書「門」(1910年)などに文言が記されています。

論旨明快の類義語・同義語

「論旨明快」の類義語には、「論旨明瞭」「単純明快」「簡単明瞭」「直截簡明」などが挙げられます。

論旨明快の使い方・例文

例文1.新しい担任教師は授業の教え方が論旨明快で、非常に分かりやすく生徒からも好評だ。
例文2.大事なプレゼンを明日に控え、頭の中では何度も論旨明快にするようなシミュレーションを展開している。
例文3.政治家とは論旨明快な能力も求められるが、残念ながら閣僚や大臣など偉くなるほどこの能力は失われていくようだ。
例文4.言い訳と嘘だらけの総理大臣が国民に論旨明快を意識したお願いを要求しても、賛同するのはネット世界の熱狂的なカルト信者ぐらいで殆どは辟易としている。
例文5.スマホなどデジタル製品の企業はプレゼン気味の会見が得意で、カジュアルな服装に得意の上級ジョークを交えつつ論旨明快に自社製品をアピールして、太鼓持ちの記者とファンが絶賛する構図が何年も続いている。
簡潔や簡単な話や説明として「論旨明快」を使った例文です。

論旨明快の会話例

男性
最近は仕事がやりやすくなったと思わない?
女性
うん。やっぱり、上司が変わったのが大きいね。
男性
モチベーションが違うよね。やっぱり、上司は注意する時も論旨明快で普段はドンと構えている人がいいよ。前の課長は無駄話で脱線するから、最終的に何が言いたいのか分からないしね。
女性
本当にそうね。じゃあ、そろそろ仕事を始めますか。

職場の同僚男女が、新しい上司の元では仕事がしやすいと会話をしています。

論旨明快の豆知識

「論旨明快」は文章や話が”簡単”や”簡潔”という事なので同様の四字熟語には、回りくどくなく簡潔な「直截簡明」、簡潔な言葉の中に深い意味が含まれる「微言大義」、複雑ではなく分かりやすい「単純明快」、文章表現が分かりやすい「文従字順」などがあります。因みに反対となるのは、非常に込み入っていて複雑で分かり難い「複雑怪奇」、意見の要点などが分かり辛い「論旨不明」です。

論旨明快の難易度

「論旨明快」は漢字検定4級から9級相当の文字組み合わせで、”旨”は4級で中学レベル、”論”は5級、”快”は6級でそれぞれ小学校高学年レベル、”明”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

論旨明快のまとめ

「論旨明快」は、文章や議論や話などが簡潔で分かりやすいという意味の四字熟語です。主旨が明確であり筋道が通っているので、大勢が納得や共感をしやすく、また相手の立場に立って物事を進めていると理解できます。

先生は論旨明快でわかりやすい。
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