【苦心惨憺(くしんさんたん)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

苦心惨憺(くしんさんたん)

四字熟語の中でも努力や奮闘などのジャンルを好む人は、本当に多いものです。仕事や学校などは苦労が絶えないので、そこでの頑張りを自身に重ね合わせる事ができるからでしょう。また、頑張った後の良い結果を求める心理も大きく関係していると思います。それでは、努力系の四字熟語の一つ「苦心惨憺」についての解説となります。

苦心惨憺の意味

「苦心惨憺」の意味は以下の通りです。
・非常に苦労して努力する。非常な苦労を重ねて工夫をこらす。
・非常に苦心して色々やってみる。心を砕き、苦労や努力をする。
”苦心”は「成し遂げようと試みたり苦労を重ねる」「心を砕き苦労する」、”惨憺”は「痛ましくて忍びない」「心を砕き思い悩む」となり、上記の様な意味合いとなります。「心を砕く」は「心配する」「気をもむ」「気を遣う」なので要するに、非常な苦労をするといった感じになります。単なる苦労ではなく、さらに上の苦労と解釈でき、人一倍の努力や工夫をしているのが「苦心惨憺」です。

苦心惨憺の由来・出典

「苦心惨憺」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、明治時代を代表するジャーナリスト・中江兆民の著書「続一年有半」(1901年)に文言が残されています。

苦心惨憺の類義語・同義語

「苦心惨憺」の類義語には、「悪戦苦闘」「意匠惨憺」「彫心鏤骨」などが挙げられます。

苦心惨憺の使い方・例文

例文1.新聞配達後の朝練は本当に辛かったが、家計を支えて己を磨く為にと、高校三年間は苦心惨憺ながら全うできた。
例文2.会社で新しい職場に配属され、最初は苦心惨憺な連続だったが、次第に評価され今では主任としてまとめる立場になれた。
例文3.我が家の家系なのか、家族全員が苦心惨憺な性格を持ち合わせた頑張り屋である。
例文4.投資に生き甲斐をみつけた叔父は、苦心惨憺の繰り返しで何度も破産目前まで追い込まれたが、最終的に億万長者として成功を収めた。
例文5.J1で万年最下位争いの常連チームを、僅か数年で日本代表クラスが続出するチームに変化させる事に成功した名監督が、当初は理不尽な苦心惨憺が多く何度も挫折しかけたと後にインタビューで語った。
努力をした結果成功したという文章に「苦心惨憺」を当て嵌めた例文となります。

苦心惨憺の会話例

男性
毎日、遠距離通勤大変じゃない?
女性
片道2時間程度だから、全然平気ですよ!
男性
いやいや往復4時間だよ。それは疲れるよ! 苦労や努力をして偉いね。
女性
この程度で苦労なら、本当に苦心惨憺で毎日頑張っている人に申し訳ないです。

職場にて、同僚男性が遠距離通勤の女性を労ったら、当の本人は全然平気と返答する会話です。

苦心惨憺の豆知識

前文でも触れましたが、「苦心惨憺」など苦労や努力を意味する四字熟語は大変多いです。例えば、「悪戦苦闘」「意匠惨憺」「苦髪楽爪」「臥薪嘗胆」などがあります。理由として大昔における中国や日本の時代背景もありますが、仏教が大きく影響を与えている点も見逃せません。努力は仏教において”精進”であり、修行に励むや一生懸命努力をする事です。他人と比較するのではなく、自分自身を見つめ直し高めるのが本来の努力なのです。現代は努力をした結果がどうしても求められますが、本来の努力を意味する四字熟語はそうではないと思えてなりません。

苦心惨憺の難易度

「苦心惨憺」は漢字検定1級から9級相当の文字組み合わせで、”憺”は1級で大学一般レベル、”惨”は4級で中学レベル、残り二文字は8級と9級で小学校中学年や低学年で習う四字熟語となります。

苦心惨憺のまとめ

「苦心惨憺」は、非常に苦労や努力する、心を砕き苦心をするといった意味の四字熟語です。「臥薪嘗胆」や「悪戦苦闘」と同じく苦労や努力系に分類され、仕事や結婚式などのスピーチでも使い勝手が良い言葉となっています。

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