【櫛風沐雨(しっぷうもくう)】の意味と例文と使い方

櫛風沐雨(しっぷうもくう)

「櫛風沐雨」は難解な四字熟語なので、なかなか日常生活で使用される事は少ないですよね。意味は実は簡単で、苦労をする等となります。同様の意味となる言葉が多いので、敢えて「櫛風沐雨」を使う事はなく、それがあまり浸透していない理由だと思います。それでは、努力や苦労系の言葉として覚えておくべき「櫛風沐雨」の解説となります。

櫛風沐雨の意味

「櫛風沐雨」の意味は以下の通りです。
・雨風にさらされるほど苦労をして、努力をしたり働く事。
・風雨を浴びながらも走り回って苦労をする。
”櫛風”は「風を櫛代わりに髪をとかす」、”沐雨”は「雨で髪を洗う」という意味があります。この二つから、「風雨に耐えながらも働くや努力をする」となりますが、様々な苦労がある、世の中では様々な辛苦に晒されるという教えとも読み解けます。

櫛風沐雨の由来・出典

「櫛風沐雨」の由来は、中国戦国時代の思想家で道教始祖・荘子の著書「荘子」となります。また、中国の歴史書「晋書」の「文帝紀」でも記されています。

櫛風沐雨の類義語・同義語

「櫛風沐雨」の類義語には、「櫛風浴雨」「風櫛雨沐」などが挙げられます。

櫛風沐雨の使い方・例文

例文1.毎朝6時に出社する生活は櫛風沐雨そのものだが、その努力が認められ同期でいち早く出世した。
例文2.鬼コーチのせいで、雨天でも練習が中止にならない。部員たちは陰で、櫛風沐雨だから諦めるしかないと、不満を漏らす。
例文3.櫛風沐雨を誰よりも続けたきたのに、今年も公務員試験に落ちた。
例文4.姉は恋人ができると、誰よりも仕事を頑張り、デートになると例え悪天候だろうと体調が悪くても、櫛風沐雨のように必ず逢いに出かける。
例文5.名門サッカー部の歴史は、櫛風沐雨な練習日々の賜物である。
スポーツにおいてはよくありますが、毎日続ける事が大事なことですよね。

櫛風沐雨の会話例

男性
風邪っぽいんでしょう。今日ぐらいは、トレーニングを止めればいいのに!
女性
ダメだよ。一日休むと、取り返すのに何日もかかるから。
男性
それでもいいじゃない。どうせ、筋トレしても自己満足でしょう。
女性
何年間も櫛風沐雨な思いで頑張ってきたんだから、今日もやるよ俺は。

スポーツにおいては一日休むと体力を取り戻すのに3日かかると言われていますので、休まないこともコンディションを保つ秘訣ですね。

櫛風沐雨の豆知識

「櫛風沐雨」を反対にした「沐雨櫛風」も同義扱いで、使用に問題ありません。また、由来の人物とされる道教始祖・荘子には、「虚室、白を生ず」「無用の用」などの有名な故事成語・諺をいくつも生み出しています。そして最も有名とされる「井の中の蛙大海を知らず」も、実は荘子が発祥とされています。

櫛風沐雨の難易度

「櫛風沐雨」は漢字検定準1級から1級相当で、大学・一般レベルの難解な四字熟語となります。

櫛風沐雨のまとめ

「櫛風沐雨」は、雨風にさらされるほどの努力や苦労をするという意味の四字熟語です。現代流に解釈するなら、実際に雨風で髪を濡らす事はなくても、喩えとしてそれぐらいの努力や頑張りをした場合に用いられる表現です。

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