【勤労奉仕(きんろうほうし)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

勤労奉仕(きんろうほうし)

日本は世界的にみても、清潔で綺麗な国と評されています。それがどうしてか、分かりますか? もちろん、企業や役所が清掃会社に委託して業者が掃除をしているのもありますが、これだけで近所のゴミ捨て場や路地の落ち葉などまでを対応できる訳ないですよね。その答えは、地域住民などが積極的に掃除をしているからです。だから、大半の場所が綺麗なのです。これは「勤労奉仕」とも呼び、無償での地域貢献です。そんな「勤労奉仕」と類似のボランティアの違いについても、解説をさせて頂きます。

勤労奉仕の意味

「勤労奉仕」の意味は以下の通りです。
・公共や社会の目的の為に、無報酬で仕事に励む事。
・地域貢献として、無償で清掃活動や困っている人に支援活動などをする事。
”勤労”は「仕事をする」「仕事に勤める」、”奉仕”は「神仏や主君に仕える」「利害なく社会に尽くす」「社会や他人に献身的に働く」事で、類似としてはボランティア、自腹を切る、無料奉仕、地域貢献などの言葉も同じ扱いとなります。例えば、街中のゴミ拾い、災害被災者の援助、高齢者を助ける、子供達の支援、募金活動などの事で、これらを無償で行うのが「勤労奉仕」です。最も有名な「勤労奉仕」は「皇居勤労奉仕」で、皇居内の除草や清掃などをする事で、地域や職場の有志が参加して行われています。近年は自然災害が多く、その度にボランティアが参加して救済にあたっています。ここで度々言われるのが、ボランティアと「勤労奉仕」の違いについてです。ボランティア(英語表記:Volunteer)は自らの意志で参加していますが、「勤労奉仕」は必ずしも自分の意志とは言い難いです。それは背景に、戦前戦後の「学徒勤労動員」といった国の労働力不足を解消する目的で、若い学生が無理やり軍事や工場などに動員されたのが関係しています。現在の「勤労奉仕」ないし「奉仕」には無償で働くという意味合いが強く、それが国への忠誠を連想させるので、本来は災害時に個人が支援するのは「勤労奉仕」でも良いのですが、ニュースなどのメディアもボランティアを使うのが現状です。このボランティアを日本語訳するなら「社会奉仕」「社会奉仕活動」などが適任ではないでしょうか。文章としての使い方は、「勤労奉仕活動を行った」「勤労奉仕の精神」「勤労奉仕に参加」といった形になります。

勤労奉仕の由来・出典

「勤労奉仕」の由来は、残念ながら不明です。ボランティアの場合は、ラテン語で自由意志や自ら率先してという意味の「voluntus」や「Voluntarius」が発祥と言われています。

勤労奉仕の類義語・同義語

「勤労奉仕」の類義語には、「奉仕活動」「無償労働」「地域奉仕」「自己犠牲」などが挙げられます。

勤労奉仕の使い方・例文

例文1.地域に貢献しようと、勤労奉仕で近所のゴミ拾いを始めた。
例文2.勤労奉仕の精神が無くなりつつあるのが、悲しいかな現在の日本の現状である。
例文3.少しでも誰かの役に立とうとする、勤労奉仕に勤める人達には頭が下がる思いだ。
例文4.現在の彼女は勤労奉仕の活動で知り合い、そこから意気投合をしたので、出会いの場としてもお勧めしたい。
例文5.コロナ渦で危険な思いをしながら働く医療関係者は、いくら給料を頂いているとは言え勤労奉仕みたいなものである。
地域貢献やコロナ渦の医療関係者を「勤労奉仕」とした例文です。

勤労奉仕の会話例

男性
美味しそうなケーキだね。ところで、そんなに大量に作ってどうしたの?
女性
もうすぐクリスマスでしょう。教会とかで子供達に配ったりするのよ。その為のケーキ!
男性
それって勤労奉仕だよね。偉いなー。なかなかできたもんじゃないよ。ところで、俺の分もあるよね?
女性
あなたの分は無いわよ。だから、コンビニで今回は我慢して。

クリスマスを控えて、教会で無料配布するケーキを妻が作っています。夫はそれに感動するが、肝心の自分の分はないというオチです。

勤労奉仕の豆知識

「勤労奉仕」と類似のボランティアについての解説です。現在は日本でもかなり浸透していますが、かつては偽善めいた行為としてあまり良く思われていなかった面も残念ながらありました。しかし、そんな空気感を変えたのが皮肉にも震災なのです。1995年1月に発生した阪神淡路大震災でボランティアが積極的に活動をするようになると、日本でも困っている人を助けようとする空気が芽生えたのです。それは東日本大震災や近年の集中豪雨被害などでも同様です。一方、これらの未曾有の被害ではボランティアが活動しますが、日常的に困っている人への援助や奉仕という面では、まだ遅れているのも事実です。そこには、日本ならではの自己責任論や社会として無視する傾向があります。

勤労奉仕の難易度

「勤労奉仕」は漢字検定3級から8級相当の文字組み合わせで、”奉”は3級で中学卒業レベル、”勤”は5級で小学校高学年レベル、”労”は7級、”仕”は8級でそれぞれ小学校中学年レベルの四字熟語となります。

勤労奉仕のまとめ

「勤労奉仕」は、公共の為に無報酬で勤労するという意味で、要するに国や地域の為に無料で働く事です。例えば、地域を綺麗する為にゴミ拾いをしたり、子供達を守るために登下校の通学路で旗振りやパトロールをする事です。最も有名なのは「皇居勤労奉仕」で皇居の清掃などをする有志で、またボランティアも無報酬で社会に貢献する点では類似となります。

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