大快人心(たいかいじんしん)
｢大快人心｣とは｢悪人などが公正に罰せられ、世間を痛快な気分にさせる事｣です。多くの皆さんは、現在の生活に多少なりとも不平不満があると思うのですが、それはいつの時代も変わりはないようです。国民は不満を抱き、権力者側は悠々自適な生活を送るので、その乖離からせめて悪人などは厳しく罰するのが世間の感情なのです。ですから、悪事や悪人が罰せられると、生活に不満があるほどストレス発散ではないですが、嬉しくて痛快に感じるのです。そんな｢大快人心｣についての解説となります。
大快人心の意味
｢大快人心｣の意味は以下の通りです。
・世間の人を痛快な気分にさせる。
・悪人などが罰せられ、人々の心がすっきりして痛快になる事。
・逆さまにした｢人心大快｣も同義。
・｢大に人心を快くす｣(おおいにじんしんをこころよくす)と読む。
”大快”は｢とても気持ちが良い｣｢とても心が晴れ晴れしい｣、”人心”は｢人間としての心｣｢精神｣｢感情や欲望の心｣で、大勢の人々の感情がすっきりしたり晴れ晴れしくなるのが｢大快人心｣です。それが転じて、主に悪人や悪事が明るみになり厳しく罰せられると、世間(大勢の人々)は痛快で気分良くなるのです。従って、そんな際に用いられる言葉となっています。要するに、悪人や悪事をのさばらせると世間は不平不満を覚え国への反発と繋がるので、きちんと対応すると、日常の不満のはけ口ともなり、痛快で良いガス抜きになるのです。
大快人心の由来・出典
｢大快人心｣の由来は、中国清時代の歴史書｢明史｣の余懋学伝となります。
大快人心の類義語・同義語
｢大快人心｣の類義語には、｢痛快無比｣｢欣喜雀躍｣などが挙げられます。
大快人心の使い方・例文
例文1.内閣や政府に近い人がどんなに悪さをしても、大甘な対応で誤魔化しお茶を濁すだけなので、国民は大快人心となる日が来ることを望んでいる。
例文2.上級国民が逮捕されて一瞬は大快人心となったが、判決内容はどうも腑に落ちない。
例文3.コンビニで店員とレジ袋のやり取りをする度に、あの憎き大臣を思い出す。潔く辞めてくれたら、誰よりも大快人心な気持ちになるが、今日も空気を読めない発言で神経を逆なでする。
例文4.皇室の結婚問題は庶民の重大関心事だが、肝心の婚約内定者がきちんと謝罪会見をすれば、大快人心になる人も多いだろう。
例文5.悪質な犯罪者がやっと逮捕されたら、何と地元の代議士の息子という事実が判明し、だからなかなか逮捕しなかったと誰もが勘繰ったが、一応は大快人心となった。
政治や上級国民で｢大快人心｣を使った例文です。
大快人心の会話例
世間に騒がせた男が逮捕されたという話題について、会話をしています。
大快人心の豆知識
｢大快人心｣から”悪人”に関する四字熟語は、一網で魚などを全て捕まえる事から犯人や悪人を一度で全員捕らえる｢一網打尽｣、悪人がのさばり歩き勝手気ままに行動する｢横行跋扈｣、君主の傍にいる悪人｢君側之悪｣、常人を遥かに超えた才能の大物や悪人の事である｢呑舟之魚｣などがあります。
大快人心の難易度
｢大快人心｣は漢字検定6級から10級相当の文字組み合わせで、”快”は6級で小学校高学年レベル、”心”は9級、”大”と”人”は9級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。
大快人心のまとめ
｢大快人心｣は悪人や悪事が世間から厳しく糾弾され、人々が痛快な気分になる事です。要するに、世間とは悪事が許せないので、それが明るみになり適正に罰せられる事を望んでいます。特に権力者などの悪事が露わになると、いつの時代も世間は痛快になります。
