喜色満面(きしょくまんめん)
嬉しい事などに「得意満面」はよく使われますが、「喜色満面」はあまり使われない感じがしませんか? しかし、よく似ているこの二つの言葉は、実際には「喜色満面」の方が日本人気質に合っていると思います。「得意満面」は誇らしさという感が強く、もしかしたら誤解を与える事もありますが、”喜色満面”は喜びが強くなるので共感される事が多くなるのです。そんな「喜色満面」についての解説となります。
喜色満面の意味
「喜色満面」の意味は以下の通りです。
・喜びの表情が顔中に溢れ出ている。嬉しそうな表情が前面に出ている。
・大喜びを顔全体で表現している様。
”喜色”は「嬉しい顔つき」「喜びの表情」、”満面”は「顔中」「顔全体」となり、喜びのあまり顔全体で表しているのが「喜色満面」です。具体的には、テストで100点を取ったり仕事が上手くいって、思わず飛び跳ねたくなったり満悦して顔がほころんでいる感じです。要するに、すごく浮かれている状態で陽気や興奮しているといっても大差はないでしょう。また、例えば嬉しい様を周囲に悟られない様にと静かにしても、それが顔には表情として出てしまう事ってあります。そんな事を「喜色満面」として、実際の使い方は「喜色満面に溢れる」「喜色満面だ」「喜色満面で~」といった形が多くなります。
喜色満面の由来・出典
「喜色満面」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、明治時代の評論家・長沢別天の著書「新古録」(1893年)などに文言が記されています。
喜色満面の類義語・同義語
「喜色満面」の類義語には、「得意満面」「喜笑顔開」などが挙げられます。
喜色満面の使い方・例文
例文1.我が家の赤ちゃんは、泣いたと思ったら喜色満面な表情を見せるので、いくら見ていてもまったく飽きない。
例文2.普段はぶっきら棒なのに、給料日とボーナス日だけは小遣いが貰えるので喜色満面な顔を見せる同居している高齢の母親。
例文3.70代の母親は普段は耳が遠くネットも利用しないのに、Go To キャンペーンを知ると喜色満面となりスマホを購入しては情報収集に躍起になっている。
例文4.男性ホルモンが過剰な友人は、駅などで歩く女性を見るだけで喜色満面となり、その内に痴漢や変質者で逮捕されると周囲の誰もが思っている。
例文5.PS5が発売すると知り喜色満面となったが、購入抽選で外れて落胆し、メルカリの高額売買に憤慨し、結局は未だに手に出来ていない。
母親や赤子の表情などで「喜色満面」を使った例文となります。
喜色満面の会話例
懸賞に当選した妻が「喜色満面」な表情で、夫と会話をしている様子です。
喜色満面の豆知識
人間の本質は喜びなのか、「喜色満面」と同じ様な意味合いの四字熟語は多数あって、大喜びの「有頂天外」、嬉しさから小躍りする「歓天喜地」、恐れながらも大喜びの「恐悦至極」、喜びが身振り手振りとなる「手舞足踏」、大変喜ばしい「大慶至極」等となります。また、「一喜一憂」や「悲喜交交」は喜びと不安や悲しみの双方の感情があります。
喜色満面の難易度
「喜色満面」は漢字検定6級から9級相当の文字組み合わせで、”喜”は6級で小学校高学年レベル、”満”は7級、”面”は8級でそれぞれ小学校中学年レベル、”色”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。
喜色満面のまとめ
「喜色満面」は嬉しさや喜びが顔中から溢れ出ている事で、声には出さないが喜びが隠せない様の事です。誰が見ても、良い事や嬉しい出来事があったと察するほどで、思わずこちらまでも嬉しい気落ちになるのが「喜色満面」です。