【延命息災(えんめいそくさい)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

延命息災(えんめいそくさい)

現代は健康や美容がブームを通り越して、常識や生活習慣としてすっかり定着しています。コロナ渦でマスクをしっかり着用するのも病気になりたくない裏返しであり、日本人の健康に対する意識が他国よりも圧倒的に高い表れだと思えてなりません。そんな健康や病気に関する四字熟語が「延命息災」で、長生きそのものや長生きの願いとして用いられています。普段から健康に気を遣い、そこに最後の神頼みもあれば、正に鬼に金棒ではないでしょうか。では、解説に入らせて頂きます。

延命息災の意味

「延命息災」の意味は以下の通りです。
・無事に長生きする。災いがなく長生きする。命を伸ばし災いをとめる。
・長寿と無事を願い祈る言葉。神や仏に平穏に過ごせる様に願う言葉。
・逆さにした「息災延命」も同義となる。「えんみょうそくさい」とも読む。
”延命”は「寿命を延ばす」「長命」、”息災”は「病気をしないで元気」「仏や神の力で災いをなくす」となり、「元気で長生きする」といった意味合いですが、そもそも仏教とも関連深く仏や神に長生きを祈り願う言葉でした。そこから、現在は平和で無事に長生きを願う言葉として定着しています。よく似ている「無病息災」は健康や病気しない事を前面に出しているのに対し、「延命息災」は長生きや長寿が強くなります。実際の使い方としては、「延命息災を祈る」「延命息災を祈願」といった形になります。また、単に自身や家族の健康を願うだけでなく、比喩として用いられる事もあります。

延命息災の由来・出典

「延命息災」の由来は、残念ながら不明です。”息災”は仏教用語でもあり、”延命”も新しく生まれた子の寿命を延ばす「延命地蔵」という言葉がある事からも、仏教とは繋がり深い言葉であるのは間違いありません。その二つが合わさったのが「延命息災」ですが、それ以上の詳細は分かっていません。

延命息災の類義語・同義語

「延命息災」の類義語には、「無事息災」「無病息災」などが挙げられます。

延命息災の使い方・例文

例文1.入院した高齢な父が元気になるよう、毎日寝る前に夜空に向かって延命息災の願をかけた。
例文2.延命息災の効果があったのか、この村は長寿の都とマスコミが押し寄せるほどになった。
例文3.元日には延命息災を家族全員で祈願するのが、我が家の恒例行事だ。
例文4.納豆と牛乳。この二つが一人暮らしをしている私の必須アイテムで、延命息災に役立っていると信じている。
例文5.毎日体操と散歩をしているので、延命息災をしなくても問題ないと豪語する元気な祖父と祖母。
健康や長生きに関する文章に「延命息災」を使った文章となります。

延命息災の会話例

男性
やっぱりタバコを止めようかなー!
女性
一体どうしたの? あれだけ禁煙の努力をしても止められなかったのに!
男性
この前娘に、「パパ長生きしてね」って言われたからさ。少し真剣に健康でいる事を考えようかと。
女性
愛する娘が延命息災をしたら、それはタバコを止めないとね。ついでにお酒も止めたらどうなの!

娘の一言に心動かされ、禁煙の決断しつつある夫と妻による中年夫婦の会話です。

延命息災の豆知識

「延命息災」の”延命”を使った言葉として有名なのは「延命治療」です。最近は医療の発達によって人工呼吸などで延命措置が図られるようになっていますが、一方で尊厳死や延命治療を望まない人も増えています。これはお隣の中国でも同様で、安楽死を希望する高齢者も増加しているそうです。これは治る見込みがある患者への治療は大事だが、快復見込みがない患者にはどこまで治療や延命をするのかはそれぞれの倫理観も有って意見が分かれるようです。この様な事情から、今後は「延命息災」という言葉も意味合いが変わってくるかも知れません。

延命息災の難易度

「延命息災」は漢字検定5級から8級相当の文字組み合わせで、”延”は5級、”災”は6級でそれぞれ小学校高学年レベル、”命”と”息”は8級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

延命息災のまとめ

「延命息災」は無事に長生きをするという意味で、主に祖父母や両親などへ長生きを願う言葉としても使用されます。類語でもある「無病息災」と同様に最も有名な健康に関する四字熟語でもあり、「延命息災を祈る」や「延命息災を祈願する」といった形が一般的な使われ方です。

祖母は延命息災だ
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