【活殺自在(かっさつじざい)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

活殺自在(かっさつじざい)

ドラマや映画だけでなく実社会でも、絶大な権力を握ると憎むべき相手を捕まえて、社会的な制裁を加えたり、場合によっては暴力で痛めつける事が出来てしまいます。ドラマなどでよくあるのは、捕らわれた人が命乞いのあまり泣きながら「助けてくれー!」と叫ぶシーンです。大抵はそんな弱い立場の人に感情移入するものですが、今回の「活殺自在」は権力を握る加害者であり悪人側の言葉ともなります。時代劇で言うなら、悪代官に相応しい感もありますが、それぐらい思い通りに相手を操るのです。それでは解説に入らせて頂きます。

活殺自在の意味

「活殺自在」の意味は以下の通りです。
・自分の思い通りに相手を扱える。他人を自分が思うままに扱う。
・生かすも殺すもこちらの匙加減ひとつとなる状況から、他人を思い通りに扱える立場にある事。
”活殺”は「生かす事と殺す事」「生殺」、”自在”は仏教用語で「意のまま」「自分の思い通り」となり、他人を生かすも殺すも思いのままに出来る事となります。例えるなら、テレビの時代劇などで、罪人を捕まえてその後どうするかは君主や代官の判断次第となるのが「活殺自在」に近いと思います。これも現代流に解釈するなら、問題を起こした部下や同僚の秘密を握り、意のままに相手を操ろうとする感じです。さらに拡大解釈すると、マインドコントロールや人心掌握とも似ていて、相手を思うがままに支配している状況です。よって、逆の立場からすると「手の上で踊らされている」という言葉にも限りなく近いものがあります。この様な相手を支配したり、逆に支配されるのはあまり褒められた行為ではないですが、どんな時代や社会でも「活殺自在」めいた事は頻繁に起こっているのです。実際に使う際には、「活殺自在」とする人を上司など立場が上の者、又は悪人など性質が悪い人などに例えて使用される場合が多くなります。

活殺自在の由来・出典

「活殺自在」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、明治時代を代表する評論家・内田魯庵の「社会百面相」(1902年)などに文言が記されています。

活殺自在の類義語・同義語

「活殺自在」の類義語には、「生殺与奪」「殺生与奪」「七縦七擒」などが挙げられます。

活殺自在の使い方・例文

例文1.実社会では底辺を生きているが、自宅で飼っているペットには活殺自在になれると思うと、少しだけ余裕が出てくる。
例文2.時の権力者はスキャンダルが発覚しても秘書の責任にして、それに反旗を翻すと今度は活殺自在に出来ると脅して結局は黙らせて意のままに操る。
例文3.結婚前は気性激しい妻に活殺自在されてきたが、結婚後は誕生した娘に振り回される元暴走族の少年A。
例文4.動物園の猿の群れは、ボス猿がその他を活殺自在に扱えるが、新しいボス猿が誕生すると元ボス猿の立場は誰よりも悪くなる。
例文5.大金を握れば誰もがひれ伏せられる活殺自在な存在になれると思っていたが、いざその立場になると人間不信で人付き合いに興味がなくなった。
権力者や動物園の猿群れなどで「活殺自在」を使った例文となります。

活殺自在の会話例

男性
毎日、こんなに美味しい夕食を作ってくれて、本当に感謝しているよ。
女性
どうしたの急に。気持ち悪いなー。何か隠しているんじゃないんでしょうね?
男性
そんな事はないよ。妻に感謝するのは、夫として当然だよ!
女性
まあ、あなたに頑張って働いてもらう為にも、夕食ぐらいちゃんと作らないとね。でも、世間では憎い旦那には塩分を多くした濃い味付けで糖尿病にわざとさせる事もあるみたいだし…、女は怒ると旦那の健康具合なんて活殺自在に出来るのよ!

夫が妻の料理に感謝する会話です。

活殺自在の豆知識

「活殺自在」と類語の「生殺与奪」についての解説となります。この二つはどちらも、生かすも殺すも思いのままという意味ですが、「生殺与奪」はさらに与える事と奪う事も加えられているので、より絶対的な力があると理解できます。よって、より恐怖的に強調したい場合は「生殺与奪」の方が相応しいです。

活殺自在の難易度

「活殺自在」は漢字検定5級から9級相当の文字組み合わせで、”殺”は5級、”在”は6級でそれぞれ小学校高学年レベル、”活”と”自”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

活殺自在のまとめ

「活殺自在」は、自分の思い通りに相手をコントロールする事で、生かすも殺すも思い通りという意味です。相手を「手の上で転がしている」様な状況で、それぐらいの権力を握って好きな様に相手を操れてしまいます。

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