【一諾千金(いちだくせんきん)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

一諾千金(いちだくせんきん)

お金に関する四字熟語や格言は、人生における道しるべともなるので大事にしている人も多いと思います。今回の「一諾千金」も一見すると同じタイプに感じますが、実は”千金”と付きながらも直接的にはあまり関係がありません。お金とは無関係なのに、それでも”千金”とする点なども含めて解説をさせて頂きます。

一諾千金の意味

「一諾千金」の意味は以下の通りです。
・信義が厚く裏切らない。約束を重んじるなどの喩え。
・一度約束した事は千金にも値するので、絶対に守る必要がある。
・一度承諾した事は千金にも代え難い重みがある。
一度約束を結んだらそれは絶対に守らなければならないとする、約束への絶対忠誠が「一諾千金」
です。それだけ約束とは重みがあり、逆に言うなら軽々しく出来ないとも取れますが、その重みを”千金”という「大金」「千両」「千枚の黄金」に喩えて形容しています。”一諾”は「人から頼まれて承知する」「同意する」となるので、「一度約束に同意するのは、大金と同等の重みや価値がある」となり、最終的には上記の様な意味合いとなるのです。

一諾千金の由来・出典

「一諾千金」の由来は、中国前漢の歴史書「史記」の「季布伝」に記された「楚人の諺に曰く、黄金百斤を得るは、季布の一諾を得るに如し」です。

一諾千金の類義語・同義語

「一諾千金」の類義語には、「千金之諾」「季布一諾」などが挙げられます。

一諾千金の使い方・例文

例文1.ヤクザの親分子分が一諾千金だったのも今や昔、現在は悪巧みな政治家の方が一諾千金で絶対に裏切らないそうだ。
例文2.結婚をする際にあれだけ誓いあっても、一諾千金を続けるのが困難なのは離婚数を見れば一目瞭然だ。
例文3.私と愛犬には、第三者には理解不能な一諾千金な信頼関係が築かれている。
例文4.幼い頃はパパと結婚すると言ってくれた娘が、成人前に結婚する事になり、一諾千金が脆くも破られ複雑な心境しかない。
例文5.慕ってくれた部下がいつのまにか出世して立場が逆転したが、一諾千金な関係は当時とまったく変化がない。
裏切らない、裏切られたといった関係性を「一諾千金」とした例文です。

一諾千金の会話例

男性
今度の休日出勤、俺と変わってくれない。お詫びに、今度の飲み会の幹事変わるから。ね!
女性
えー。でも、先輩はすぐに裏切るからなー。本当に幹事やります?
男性
大丈夫。俺は一諾千金な男って、社内では評判だよ。絶対に幹事を引き受ける。
女性
分かりました。じゃあ、今回は信じます。

休日出勤を後輩女性に代わってもらう会話で、先輩である男性が自らを一諾千金な男と名乗ります。

一諾千金の豆知識

約束に関係する四字熟語は「一諾千金」以外にも、「海誓山盟」「季布一諾」「尾生之信」などがあります。中でも、「海誓山盟」「季布一諾」は非常に固い約束や誓いとして、「一諾千金」よりも約束の強度が高いと言っても過言ではありません。因みに、「破戒無慙」は規律を破りながら恥と思っていない事なので、約束を破る人に使用します。

一諾千金の難易度

「一諾千金」は漢字検定3級から10級相当の文字組み合わせで、”諾”は3級で中学校卒業レベル、残り三文字は小学校低学年レベルの四字熟語となります。

一諾千金のまとめ

「一諾千金」は、一度約束した事は千金に値するという意味から、約束を重んじるや大事にするという喩えとなります。日本は几帳面であり約束を特に重んじるので、ビジネスシーンからプライベートまで「一諾千金」を使う環境が整っていますが反面、堅苦しく重すぎる言葉でもあるので、物腰柔らかく使う方が好ましいとも個人的には感じています。

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