閑雲野鶴(かんうんやかく)
Uターン・Iターン・Jターンと言った言葉が流行り、地方に移住するブームがありましたが、誰しも一度は都会の喧騒を離れてのんびりと暮らしたいと思うことがあるのではないでしょうか。
そんな世間に縛られることがない自由な暮らしを表した言葉は閑雲野鶴です。
読み方も難しい四字熟語ですが、素敵な言葉なので是非知って使ってみましょう。
閑雲野鶴の意味
閑雲野鶴とは世間の人や風習に縛られることなく、のんびりと自由に暮らすことです。何かに束縛されることもなく、自分の好きなように悠々と生きる暮らしを意味しています。閑雲野鶴は伸び伸びと楽しんで暮らしている隠居した武士の心境を例えて出来た言葉です。
閑雲とはゆったりと空に浮かんでいる雲の様子、野鶴は野原で気持ちの向くままに遊んでいる鶴の様子を表しています。
戦場で必死の形相で戦っていた武士が隠居後は自由気ままに過ごしている様子が、まるで閑雲や野鶴のように見えたのでしょう。
閑雲野鶴の由来・出典
全唐詩話という中国の詩集が出典で、その中に収められている僧貫休という人が書いた詩が閑雲野鶴の由来となっています。
閑雲野鶴の類義語・同義語
「閑雲野鶴」の類語・同義語には「孤雲野鶴」「間雲孤鶴」「悠々自適」などがあります。
悠々自適が一番馴染みがあって閑雲野鶴の意味が捉えやすいでしょう。
閑雲野鶴の使い方・例文
例文1.閑雲野鶴の隠居生活は未だ送れず毎日追われるように過ごしている。
例文2.宝くじが当たって閑雲野鶴の生活をおくりたい。
例文3.携帯電話やインターネット・SNSの普及は閑雲野鶴の暮らしを遠ざける一因だろう。
例文4.現代は子供ですら閑雲野鶴とは程遠い生活を余儀なくされている。
例文5.田舎には田舎特有の人間関係や風習があるので、閑雲野鶴の境地を得るのは簡単ではない
ビジネスシーンで使われる四字熟語ではありませんが、仕事を引退した後の生活を表す場合は良く使われます。
閑雲野鶴の会話例
閑雲野鶴には世俗に縛られない様子も含まれているので、その点も覚えておくと上手に使うことが出来ます。
閑雲野鶴の豆知識
出典の全唐詩話は1703年に成立しました。
そう考えると世俗から離れたい、のんびりと気ままに暮らしたいという願いは随分前から人々の心の中にあったのですね。
閑雲野鶴の難易度
「閑雲野鶴」は漢字検定では準1級の範囲です。
準1級は難易度が高いので、正しく理解して語彙力を高めましょう。
閑雲野鶴のまとめ
社会の中で生きていくと人間関係のしがらみはどこかしらに生まれてくるものです。
特に現代は実生活だけでなく、SNS上の人間関係も生まれてきたので上手く対処しないと更に多くのしがらみを抱えてしまうことになります。
昔よりもスピードが求められる時代なので生活も慌ただしくなったかもしれません。
そんな中で閑雲野鶴の生活を手に入れる方法はもしかすると心の持ち方ではないでしょうか。
忙しい中でも、休息と楽しみを見つけて閑雲野鶴な生活を手に入れたいものですね。