老若男女(ろうにゃくなんにょ)
｢老若男女｣とは｢老人から若者まで年代や性別を問わず全ての人々の事｣です。端的に言うなら｢老若男女｣は全員や皆という意味ですが、それよりも｢老いも若きも｣というニュアンスを入れてより年代や性別を問わないとする際に使われる傾向があります。要は、若者が｢皆｣というと｢若い世代の皆｣と感じられますし、逆も然りです。それを解消する為に、敢えて｢老若男女｣と使う事で全世代や男女両方の事なんだと理解できます。それでは｢老若男女｣について、さらに詳しく解説をさせて頂きます。
老若男女の意味
｢老若男女｣の意味は以下の通りです。
・老人から若者まで年代や性別に問わず全ての人々。
・老いも若きも男も女も。
・あらゆる人々。万人。
・老人と若者と男性と女性から、年代や性別に関係なく全ての人の事。
”老若”は｢老人と若者｣｢大人と若い衆｣、”男女”は｢男性と女性｣｢男と女｣で、老人や若者などの年代や男女の性別違いを問わず｢全ての人々｣となるのが｢老若男女｣です。従って、全員･皆･誰もが･大勢･大衆･全て等々が類似となり、やや畏まった表現で全員や全ての人々という際に用いられます。老人は当然ながら高齢者ですが、若者は生まれたばかりの赤子も含まれるので、それで全ての人々となります。また、昨今は性の多様性からLGBTや国籍･人種などの問題もありますが、｢老若男女｣ではそんな諸問題を抜きにして全員という意味合いです。さらに深掘りすると、例えば誰にでも人気あるタレントを｢老若男女を問わず大人気の○○さん！｣と紹介するのは良くあるパターンですが、ここでは｢少なくても日本では誰もが知っていて、あらゆる人々から人気がある｣と解釈するべきで、｢世界中の人々から人気がある｣とするのは拡大解釈であり誤りです。よって、現代の感覚なら｢老若男女｣は日本在住の老人から若者まで性別や国籍などを問わずとするのが、より正しい意味かも知れません。使い方としては、｢老若男女を問わず｣｢老若男女が一堂に会する｣｢老若男女から愛される｣という形が一般的です。
老若男女の由来・出典
｢老若男女｣の由来は、残念ながら不明です。文献としては、江戸時代初期の学者･角倉素庵による私刊本｢光悦本謡曲｣(別名:嵯峨本)の｢熊野｣(1505年)などに文言が記されています。
老若男女の類義語・同義語
｢老若男女｣の類義語には、｢老幼男女｣｢貴賤老若｣｢貴賤上下｣などが挙げられます。
老若男女の使い方・例文
例文1.某アイドルの握手会には老若男女を問わず大勢が集まると友人が豪語するが、本当はあまりにも熱狂的で目の色が変わった様なアイドルファンしか集まらない事を知っている。
例文2.かつては老若男女から支持されたお笑い芸人も、今では主戦場がユーチューブとなり時代の流れを感じさせる。
例文3.カレーやラーメンは老若男女を問わず愛される国民食と言っても過言ではない。
例文4.コロナ禍で老若男女を問わず出掛ける時はマスクが必需品となった。
例文5.地方では老若男女がお客となってショッピングモールにやって来るが、それでも数年もすればやはり売上が低迷して撤退する可能性が浮上するのだから、景気や商売の先読みは大変で難しい。
全ての人や大勢といった意味合いで｢老若男女｣を使った例文です。
老若男女の会話例
映画を観ると約束していた恋人同士だが、当日になり気がのらない彼氏と行きたがる彼女の会話様子です。
老若男女の豆知識
｢老若男女｣の”老若”についての深掘り解説です。現在は”老若”を｢老人と若者｣としますが、江戸時代の頃は｢大人と若衆｣とされていました。ここでの”大人”は村や町などの共同体組織における中心的人物であり皆をまとめる影響力がある者です。ですから40～50代、或いは60代ほどの男性で、”若衆”は15歳からは20歳前後までの若い年代の男達で兄貴分の下につく弟分の様な人達です。ですから、影響力がある中高年の男性1人と、その下につくような若く勢いがある複数人の男性達を合わせて”老若”と呼んでいました。
老若男女の難易度
｢老若男女｣は漢字検定5級から10級相当の文字組み合わせで、”若”は5級で小学校高学年レベル、”老”は7級で小学校中学年レベル、”男”と”女”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。
老若男女のまとめ
｢老若男女｣は老人と若者と男性と女性から、年代や性別に関係ない全ての人々という意味です。人気ある芸能人や商品などを紹介する際に、｢老若男女から愛される○○｣｢老若男女から支持される□□｣といった形で用いられる有名な四字熟語で、誰もが日常会話からスピーチや文章などで使っています。
