已己巳己(いこみき)
最初見た時は、”己”が四文字続いていると思いませんでしたか？ しかし、実は違うんですよね。まるで間違い探しの四字熟語版｢已己巳己｣ですが、この風変わりな言葉を知っているとちょっとした話の種になります。また、他にも似たような四字熟語を探すのも面白いものです。それでは、視力の悪さを実感させてくれる｢已己巳己｣について解説となります。
已己巳己の意味
｢已己巳己｣の意味は以下の通りです。
・それぞれの文字の形が似ている事から、互いに似ている物の喩え。
・已、己、巳の三文字が非常に似ているので、そこから似ているもの同士の喩えとなる。
”已”は｢止める｣｢既に｣、”己”は｢自分自身｣｢私｣｢相手を蔑む｣、”巳”は｢十二支の6番目｣｢(方角の)南南東｣｢(時刻の)午前10時頃｣といった意味があります。それぞれの意味は｢已己巳己｣としては直接関係なく、単に字形が似ているのを組み合わせたものです。
已己巳己の由来・出典
｢已己巳己｣の由来は、残念ながら不明です。文献としては、江戸時代後期の川柳集｢柳多留｣の｢一二一乙｣(1833年)に文言が記されています。
已己巳己の類義語・同義語
｢已己巳己｣の類義語には、｢大同小異｣｢魯魚亥豕｣｢烏之雌雄｣などが挙げられます。
已己巳己の使い方・例文
例文1.職場先輩の新築祝いに招かれお邪魔したら、双子のお子さんが同じ服装だったので、已己巳己と思ってしまった。
例文2.モノマネ番組の最大サプライズは、本人が登場してモノマネ側を驚かす已己巳己となる瞬間である。
例文3.中国や韓国では、日本のアニメが已己巳己となり、普通に放送されている。
例文4.軽自動車の大きさはどのメーカーも規格サイズまでフルに使っているので、已己巳己となるのは致し方ない。
例文5.社会は画一化に進んでいるので、特に若い世代は已己巳己となるのが顕著で、それだけ個性的な人は生き難くなっている。
様々な似ているものについて｢已己巳己｣を使った例文です。
已己巳己の会話例
お昼の為に買ってきたコンビニのオニギリなどが、後輩女性とまったく同じ商品で舞い上がる男性と、それが嬉しくない女性の会話です。
已己巳己の豆知識
｢已己巳己｣の発音について深掘りすると、”已”の音読みは｢イ｣、”己”の音読み(呉音)は｢コ｣、”巳”の音読みは｢シ｣となり、本来は｢いこしこ｣と読みそうなものです。それを、”己”の音読み(漢音)は｢キ｣、”巳”だけは意味から｢蛇｣(ミ)として、｢いこみき｣と最終的には読むようになりました。
已己巳己の難易度
｢已己巳己｣は漢字検定1級から5級相当の文字組み合わせで、”已”と”巳”は1級と準1級で大学一般レベル、”己”は5級で小学校高学年レベルの四字熟語となります。
已己巳己のまとめ
｢已己巳己｣は、非常に良く似た三文字からなる事から、互いに似ていたりそっくりな喩えとなります。実際にはなかなか使用しない四字熟語ですが、似ている際の表現として用いると博識アピールができます。
