【安常処順(あんじょうしょじゅん)】の意味と例文と使い方

安常処順(あんじょうしょじゅん)

少し前に都会から地方に移住するのがブームとなりましたよね。その後ブームが落ち着き始めたのですが、昨今のコロナ渦で再び田舎暮らしや地方移住の関心が高まっているそうです。リモートやテレワークの普及で、無理して東京や都会に暮らさなくても良いとする意識が強くなったのでしょう。そんな方々にある意味で相応しい四字熟語が「安常処順」ではないでしょうか? 穏やかな生活という意味があるので、きっと共感される事でしょう。それでは、解説を始めさせて頂きます。

安常処順の意味

「安常処順」の意味は以下の通りです。
・心配事が何もなく、平和で穏やかな暮らしに満足している。
・平和で穏やかな生活に慣れ、問題が何一つなく万事が上手くいっている状況。
・無風状態の平和で長閑な暮らし。
これも四字熟語特有の微妙に解釈が違ってきますが、要するに「平和で穏やかな暮らし」となります。都会や地方と地域は限定していませんが、普通に考えるなら相応しいのは地方や田舎での生活ではないでしょうか。ともすれば定年退職後の隠居生活とも感じられますが、本人が満足しているのが「安常処順」となります。よって、年代や地域を問わず穏やかな生活や長閑な暮らしを総じて「安常処順」と呼んで問題がありません。

安常処順の由来・出典

「安常処順」の由来は、中国戦国時代の哲学者・荘子の名を冠した「荘子」の「養生主」となります。

安常処順の類義語・同義語

「安常処順」の類義語には、「安閑恬静」「三平二満」「悠悠自適」などが挙げられます。

安常処順の使い方・例文

例文1.長年の夢であった田舎暮らしを実現した両親は、山奥で安常処順な生活を二人仲良く送っている。
例文2.妻と出会い、地方で暮らす安常処順な生き方を教えてもらった。
例文3.宝くじが当選すれば安常処順な生活が手に入ると信じて、今月も給料の大半をつぎ込む。
例文4.安常処順と噂の職場に飛ばされ、最初は嫌だったが慣れるとこれほど快適な職場もないものだ。
例文5.彼女曰く、俺は何の刺激もない平凡そのものな男だが、そこが結婚相手としては最適だそうだ。こうも面と向かって安常処順の様な人と言われて、本心は複雑である。
平和や穏やかを意味する「安常処順」を生活以外にも応用して使った例文となります。

安常処順の会話例

男性
今日の職場は平和だね。まるで、安常処順のようだ。
女性
それはそうですよ。この広いオフィスで、出社しているのは先輩と私の二人っきりですから。
男性
もしかして、これって将来一緒になるという運命なのかな?
女性
違います。コロナだから、みんな出社しないのに偶々一緒になっただけです。

コロナで出社制限されている職場での同僚男女の会話です。静かな職場を「安常処順」を形容しています。

安常処順の豆知識

「安常処順」は「穏やか」という表現が最も相応しく、その類語は「温和」「長閑」「平穏」「物静か」「物柔らか」「温厚」などとなります。四字熟語では「温厚篤実」「温柔敦厚」「温文爾雅」「春風駘蕩」などや、先ほど類義語で紹介したものなどです。これらの傾向としては、単純に性格だけ穏やかとするものから、季節や国内外や治安などに絡めて穏やかと形容するものに分かれます。

安常処順の難易度

「安常処順」は漢字検定5級から8級相当の文字組み合わせで、小学校高学年から中学年レベルの四字熟語となります。

安常処順のまとめ

「安常処順」は、心配事がなく穏やかな暮らしに満足している、平穏無事な生活といった意味の四字熟語です。一般的には高齢者や定年退職での地方暮らしを想像しますが、それ以外にも穏やかな暮らしぶり全般に使用できます。

安常処順で穏やかな生活が理想だ
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