【安居楽業(あんきょらくぎょう)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

安居楽業(あんきょらくぎょう)

「安居楽業」とは「仕事や生活に満足している」という事です。毎日が充実していて、仕事や生活環境で大きな不満がなく、また良い政治が行われている際に用います。ですから、大勢の人々が幸せに生活している様子が想像できると思います。正に理想的な環境を手にしたからこそ、こんな状況を送れるのでしょう。それ故に、実際にはとても実現するのが難しいのですが、だからこそ喩えや願望として「安居楽業」と使われるのではないでしょうか? それでは、解説に入らせて頂きます。

安居楽業の意味

「安居楽業」の意味は以下の通りです。
・社会的地位や環境などに満足し仕事も楽しんでいる事。
・仕事や生活に満足している事から、転じて、良い政治で国民生活が安定している喩え。
・仕事などが上手くいって現状に不満がなく、心穏やかに生活できている。
・「居に安んじ、業を楽しむ」「安居して業を楽しむ」と読む。
”安居”は「気楽にのんびり暮らす」「現状に満足」「落ち着いた生活」、”楽業”は「楽しく仕事を送る」「仕事などが充実している」となり、端的に言うなら、現在の生活に不満がなく楽しい日々を送れている事です。仕事が上手くいき、住まい環境なども問題なしで、安定した毎日を送っています。そんな生活は世の中が平和だからこそ送れて、政治がきちんと機能し国民生活が順調そのものと理解できます。ですから、個人レベルでの良い生活という意味もありますが、さらに大きな俯瞰的な視点から見たより良い生活が送れて満足な様が「安居楽業」です。よって、同じ志を持つ仲間、職場の同僚、地域の住民などが幸せや満足である時に「安居楽業」と用いるのが多くなります。

安居楽業の由来・出典

「安居楽業」の由来は、中国後漢時代の歴史書「漢書」の「貨殖伝・序」となります。

安居楽業の類義語・同義語

「安居楽業」の類義語には、「晴耕雨読」「安家楽業」などが挙げられます。

安居楽業の使い方・例文

例文1.将来は事業で成功した暁には、地元に貢献し人々を安居楽業させるのが夢である。
例文2.日本は経済低迷が叫ばれているが、それでも世界を代表する先進国なので、安居楽業出来る余裕ある人が未だに多い。
例文3.かつては定年退職まで働けば安居楽業な日々が約束されていたが、最近はリストラが横行しているので退職金と年金だけで暮らせる人も少なくなっている。
例文4.苦労ばかりの日々だが、誕生したばかりの娘には安居楽業で人生を歩んでほしい。
例文5.コロナが来ようが外資が企業を買収しようが、政治家は常に無傷でワイン片手に庶民から血税を毟り取る計画を立てて安居楽業なお気楽な日々を送る。
「安居楽業」を肯定と否定的に使った例文です。

安居楽業の会話例

男性
ところで、今年は初詣は行ってないよね?
女性
そうだね。これだけ密禁止と叫ばれているからね。何より、私は本当にコロナになりたくないもん!
男性
うん、分かる。神頼みでコロナに感染したら、本末転倒だよね。じゃあ、今年はどんな目標や願いがあるの?
女性
コロナで厳しい世の中だけど、どうにか会社業績が持ち堪えてそのまま現状維持で進み、それが他の大勢の労働者にも良い影響を及ぼして安居楽業になればいいなって。それが希望。

同僚男女が初詣や今年の抱負について会話を繰り広げます。

安居楽業の豆知識

「安居楽業」の”楽業”は日本ではあまり使われませんが、四字熟語の「楽業偕悦」として有名です。意味は、同じ志の下で困難を分かち喜びも共有する事です。現在はマヨネーズで知られる「キューピー」の社是としても知られています。因みに、昨今の大企業の多くは、かつての様な有名四字熟語を社是や経営理念とする事は少なくなり、英語やカタカナを使った独特の表現とする事が増えています。その中でトイレで知られるTOTOの社是は「愛業至誠」です。

安居楽業の難易度

「安居楽業」は漢字検定6級から9級相当の文字組み合わせで、”居”は6級で小学校高学年レベル、”安”と”業”は8級で小学校中学年レベル、”楽”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

安居楽業のまとめ

「安居楽業」は、現在の地位や住まいなど状況に満足して仕事を楽しんでいるといった意味です。要するに、高い理想から現状に不満を抱くのではなく、現在の生活に満足し安らかに過ごす事です。そんな生活が送れるのは政治が安定しているからこそ成立するので、そういう大局的に捉えた喩えでもあります。

将来は安居楽業な生活が理想
最新情報をチェックしよう!