【金甌無欠(きんおうむけつ)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

金甌無欠(きんおうむけつ)

「金甌無欠」とは「物事が完全で欠点がない喩え」です。傷がない「黄金の瓶(金甌)」は価値が高いので、そこから完全や欠点なしとするだけでなく、国が強固という使われ方もされます。昔の人は喩え上手だと感心する言葉で、現在でも類語である完全無欠と使う所を敢えて「金甌無欠」とする場合も多くあります。そんな「金甌無欠」についての解説となります。

金甌無欠の意味

「金甌無欠」の意味は以下の通りです。
・物事が完全で欠点がない喩え。
・外国からの侵略を受けていない事から、国家として強固な事である喩え。
・傷ひとつない黄金の瓶から、完全で欠点がない事や国家として安泰で堅固な事。
・「金甌欠くる無し」(きんおうかくるなし)と読む。
”金甌”は「黄金の瓶」「高貴なもの」、”無欠”は「足りないところがない」「欠点がない」となり、黄金の瓶は完全や欠点なしといった意味合いになります。よって、完璧・万全・頂点なども類似でそこから、物事全般での欠点がない喩えであると同時に、国や国家が他国から一度も侵略を受けていないとする意味合いも込められています。実際の使い方としては「金甌無欠を誇る」「金甌無欠の国家」など、また「金甌無欠ではない」と否定的な形もあります。

金甌無欠の由来・出典

「金甌無欠」の由来は、中国南朝時代の歴史書「南史」の「朱异」となります。

金甌無欠の類義語・同義語

「金甌無欠」の類義語には、「完全無欠」「完美無欠」「十全十美」などが挙げられます。

金甌無欠の使い方・例文

例文1.アメリカは軍事力では金甌無欠な世界一だが、自国のアメリカ人が愛国心や正義の名の元にテロリスト染みた行為をすると想像できなかったのは情けない。
例文2.子供の頃から必死に努力を重ねたが、金甌無欠の器には程遠いと現実を知り、今は打ちのめされた気持ちで何も手がつかない。
例文3.才色兼備な友人こそ金甌無欠と呼ぶのに相応しいが、実は怖がりで泣き虫なのを知っている。
例文4.ネットの世界で誹謗中傷をさせたら敵無しで金甌無欠だが、実際の人物に会うと体も小さく声も弱々しくて、そのギャップに驚かされる事が多いそうだ。
例文5.先週購入したばかりの新車は、何年間も頭金を貯めた思い出の一台だったが、先日無事に車庫から「金甌無欠」な手口で盗まれ、映像だけが防犯カメラに残っていた。
車盗難、友人、アメリカなどで「金甌無欠」を使った例文です。

金甌無欠の会話例

男性
ただいまー! ん、どうしたの一体? 綺麗に片付いているよ!
女性
驚いたでしょう! 今日は頑張って、玄関前のごみや荷物を全部整理したの。
男性
すっきりしていいよ、凄く。それに、何かいい匂いがするよ。もしかして…。
女性
そう。半年ぶりに夕食を作ってみたの。あなたが毎日仕事をしているのに、私は酒にパチンコばかりで何もしなかったから。どう、私もやる気になれば主婦業なんて金甌無欠に出来るの。でも、明日は開店だからまた夕食は自分で作ってね。

日頃は何もしない妻が心機一転、家事を頑張って夫を驚かすという内容です。

金甌無欠の豆知識

「金甌無欠」は欠点がないという意味なので、そこから欠点に関係する四字熟語は、完全で欠点がない「十全十美」、短所を捨てて長所を伸ばす「舎短取長」、欠点を直して全てをダメにする「矯角殺牛」、欠点がひとつもない「完全無欠」、立派な人にある少しの欠点「白璧微瑕」、言動が一貫せず欠点やほころびが出てくる「破綻百出」などがあります。

金甌無欠の難易度

「金甌無欠」は漢字検定1級から10級相当の文字組み合わせで、”甌”は1級で大学一般レベル、”無”と”欠”は7級で小学校中学年レベル、”金”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

金甌無欠のまとめ

「金甌無欠」は類語でもある完全無欠とほぼ同義で、物事が完全で欠点がないという意味です。また、そこから欠点がないのを守りが堅いとして、外国から一度も侵略されていないや国家が強固という意味も含まれています。

金甌無欠は理想の人間だと思う。
最新情報をチェックしよう!