【金声玉振(きんせいぎょくしん)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

金声玉振(きんせいぎょくしん)

世の中には頭が良いだけでなく、品性まで備わっていて思わず憧れてしまう様な人が稀にいますよね。大抵はどちらか備わると片方は欠けるものですが、両方を兼ね備えた大変素晴らしい人物を評する四字熟語が「金声玉振」です。そんなある種「聖人君子」にも似た「金声玉振」について解説となります。

金声玉振の意味

「金声玉振」の意味は以下の通りです。
・才知と人徳を兼ね備えている。才知や人徳が調和し備わっている。
・優れた人物や偉大な人物の喩え。将来に大成する人。
・古代中国を代表する思想家・孔子が、完成された人格と称賛した言葉。
「金声玉振」とは、非の打ち所がない完璧な人物とも言い換えられます。知的能力が極めて高く、さらに人間としての魅力も備わり人望も厚いという、将来の成功間違いなしと太鼓判を押されたも同然なのが「金声玉振」です。”金声”は「美しい声」「鐘の音色」、”玉振”は「(玉を振る際の)美しい音」「音楽で最後に盛り上がって終わる事」「将来成功する」で、上記の様な意味合いです。古代中国では音楽演奏で、鐘を鳴らして始まり、最後に再び玉(玉石の楽器)を鳴らして盛り上げた事から、最初と最後が良ければ大成すると言われる様になりました。

金声玉振の由来・出典

「金声玉振」の由来は、中国戦国時代の思想家・孟子の書籍「孟子」の「万章・下」となります。

金声玉振の類義語・同義語

「金声玉振」の類義語には、「知徳兼備」「聖人君子」「雲中白鶴」などが挙げられます。

金声玉振の使い方・例文

例文1.兄はサッカー部のキャプテンとして活躍しながら生徒会長まで務めて、全校生徒の憧れであり金声玉振に相応しい人だった。
例文2.子供の頃から毎日のように塾に通い、将来は金声玉振な人物に成る事を目指してきたが、大学を中退してその夢も脆くも崩れ去った。
例文3.弁護士や警察官ですら犯罪を犯し逮捕される世の中で、金声玉振な人などは残念ながら滅多にいないものだ。
例文4.IT長者の御曹司などは金声玉振となる事が責務で、ある意味で堅苦しい人生である。
例文5.某二世芸能人に活躍ぶりを称えたら、表情一つ変えずに、金声玉振な期待を込められて育てられたから当然と答えた。
偉大な人物や才知・人徳がある人、またこれらを皮肉めいて「金声玉振」とした例文です。

金声玉振の会話例

男性
ふー、やっと会議が終わったよ。
女性
お疲れさまです。それにしても、会議の中心は先輩ですよね。皆も発言に賛同してくれますし。
男性
その分で責任が重いよ。そんなに優秀だとは思っていないし…。
女性
いやいや、先輩は優秀で人望も厚い、会社にとって金声玉振な社員そのものです。

職場の会議終わりに、同僚男女が会話をしています。仕事ができて優秀な男性先輩を「金声玉振」と女性が評します。

金声玉振の豆知識

「金声玉振」は、才知と人徳を備えた人物こそ優れていて将来成功すると説いています。才知は才能と知恵で、人徳はその人が備わる魅力や品性となります。古代中国では特に人徳を大事にしていて、この考えは現在の日本においても強く根付いています。なぜなら、若い人だけでなく会社側が求めるリーダー像は、仕事ができるのはもちろんながら、皆から信頼されている人を高く評価するからです。好きな芸能人などを見ても、人間力が高い人を好むのが昨今の流れです。要するに、頭が良くても周囲から浮いている独りよがりはダメで、それより大勢から慕われるのが能力ある人となります。SNSなどのフォロワー数が多い人を評価するのも、同じ理屈です。かつての中国の偉人の教えが、現代でも遜色なく通用していると「金声玉振」から計り知れます。

金声玉振の難易度

「金声玉振」は漢字検定4級から10級相当の文字組み合わせで、”振”は4級で中学レベル、残り三文字は9級と10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

金声玉振のまとめ

「金声玉振」は、才知と人徳を兼ね備えているという意味で、将来成功する人の条件として喩えでも用いられる四字熟語です。元々は中国の伝統的な音楽の際に鐘を鳴らすのが由来とされ、その美しい音色などが転じて、将来の大成や偉大な人物ともなりました。

金声玉振の人物が大事を成す
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