【走尸行肉(そうしこうにく)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

走尸行肉(そうしこうにく)

最初は猪等の獣の肉の事かと思ったのですが、実はあまり関係がなく中々手厳しい意味を持つ言葉となっています。昨今は職場や家庭でこの様な扱いを受ける男性も、もしかしたら多いかも知れませんね。個人的にはこの様なハッキリした言葉は、もう少し和らげる表現にするべきだと思いますが、当時の中国や日本の感覚では真っ当なようです。それでは「走尸行肉」について解説となります。

走尸行肉の意味

「走尸行肉」の意味は以下の通りです。
・何の役にも立たない人。存在価値がない人。
・走る屍と歩く肉(人間)から、形はあっても魂がない肉となり、無学無能な人物や役立たず。
・存在価値がない者を嘲たり蔑む言葉。
・「行尸走肉」も同義となる。
「走尸行肉」は人を人として扱わない、現代では明らかな差別用語となる言葉です。ですから、率先して使われる言葉ではないですが、昔の文献などには多く登場します。大凡の意味は上記の通りで、”走尸”は「走る屍」、”行肉”は「歩く肉の塊」となります。よって、能力が劣る人に対して、生きているが屍同様で肉の塊の価値しかないと馬鹿にしています。さらに、単に無学であったり教養がない人にも使用されます。時代背景もありますが、当時は一部の権力者だけが教育を受けられ、その他多くは教育を受ける機会すら設けられなかったので、自然とこの様な言葉も誕生したのでしょう。

走尸行肉の由来・出典

「走尸行肉」の由来は、江戸時代の儒学者・安井息軒の「三計塾記」となります。

走尸行肉の類義語・同義語

「走尸行肉」の類義語には、「酔生夢死」「飽食終日」などが挙げられます。

走尸行肉の使い方・例文

例文1.東大卒の父によって幼い頃から、誰よりも勉強に力を入れる様にと毎日言われ、それが出来ないと将来は走尸行肉となって落ちぶれると叩き込まれた。
例文2.勉強も運動も出来ないが、美術センスだけはあったので走尸行肉と呼ばれずに済んだ。
例文3.国会議員などは偉そうな見掛けだけで、走尸行肉な集まりだというのは国会中継や派閥至上主義を見て一目瞭然だ。
例文4.上級国民からしたら、一般人全員が走尸行肉にしか見えないだろう。
例文5.外国からの犯罪者集団も悪いが、いつまでも対策できず好き勝手やられる政府も機能不全であり、走尸行肉と評価したくなる。
犯罪や上級国民の文章に「走尸行肉」を使った例文となります。

走尸行肉の会話例

男性
銀行口座の残高ってチェックしている?
女性
時々? でも、ネットバンクだから、あまり気にしてないかな? どうしてですか?
男性
さっきニュースでやっていたから。携帯会社と銀行口座を紐付けた人達からの不正引き出しが大騒動に発展しているみたい。
女性
怖いですね。でも便利サービスの裏で、犯罪者も対策出来ない企業も私からしたらどちらも走尸行肉ですね。

某携帯会社の口座から預金が不正に引き出される事件について、同僚男女が会話をしています。

走尸行肉の豆知識

「走尸行肉」だけでなく、役立たずを意味する四字熟語は多々あります。しかし、人に対してというよりも物に対して使われる事が多いです。例えば、「記問之学」は役に立たない学問、「机上空論」は役に立たない計画といった感じです。中には、「無用之用」という役に立たなく見えるものが実は役立つという、少し捻りを入れた言葉もあります。

走尸行肉の難易度

「走尸行肉」は漢字検定1級から9級相当の文字組み合わせで、”尸”は1級で大学一般レベル、残り三文字は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

走尸行肉のまとめ

「走尸行肉」は、走る屍と歩く肉塊という漢詩の訳から、無能や存在価値がない人という意味の四字熟語です。また、学ぼうとする意志が欠如している者を嘲る言葉でもあり、人を侮辱する際に用いられます。

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