【貪官汚吏(たんかんおり)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

貪官汚吏(たんかんおり)

日本でも官僚の忖度や天下り、そして官僚主義という大問題が蔓延っていますが、こういった悪しき習慣は大昔の中国でも同じだったようです。権力を握る側はそれだけ公正さが求められるのですが、どの時代もどの国でも結局は同じ穴の狢なのですね。では、ろくでもない官僚や役人である「貪官汚吏」についての解説となります。

貪官汚吏の意味

「貪官汚吏」の意味は以下の通りです。
・職権を悪用して悪事を働く官僚や役人、又は代議士。不正によって私利私欲を貪る役人。
・欲深い高級官僚や役人。役人が得する腐敗した制度を批判する言葉。
・「どんかんおり」とも読む。
「貪官汚吏」は”貧官”が「欲深く賄賂を受け取る役人」「収賄や私利を貪る役人や官僚」、”汚吏”は「不正をする役人」「汚職の役人」となります。また、”官”は「科挙官僚」という古代中国での(高級)官僚で、”吏”は「下級役人」で、そこから上記の様な意味合いです。端的に言うなら、悪事を働く役人であり、主に賄賂を要求したり受け取る事です。中でも高級官僚など立場が上になると、金額額も大きくなるのでそれだけ巨悪となります。日本で例えると「汚職役人」「官僚腐敗」といった公務員の汚職全般といったところです。

貪官汚吏の由来・出典

「貪官汚吏」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、明治時代の作家・田中貢太郎の「令狐生冥夢録」などに文言が残されています。

貪官汚吏の類義語・同義語

「貪官汚吏」の類義語には、「汚職官吏」「汚職官僚」などが挙げられます。

貪官汚吏の使い方・例文

例文1.役所で働く兄は狡賢い性格なので、貪官汚吏にならないように願うばかりだ。
例文2.役人と仕事上の付き合いはあるが、ある日賄賂を要求され未だに貪官汚吏なんだと呆れたが、仕事を取り上げられる恐れから素直に従った。
例文3.庶民から税金を搾取して巨大な役所を建造し、さらに貪官汚吏となるとは、役人はどれだけ腐った組織なのだろう。
例文4.こんな時代に週末ゴルフや高級料理を楽しむ余裕があるのは、貪官汚吏で自腹を切らない役人や代議士ぐらいだ。
例文5.小学生の息子は将来、ユーチューバーになるか官僚で出世して貪官汚吏な日々を送ると言い、将来がとても心配になる。
役人や官僚を批判や皮肉めいた例文となります。

貪官汚吏の会話例

男性
今度結婚するんだって? おめでとう!
女性
ありがとうございます。どんな相手か知りたいですよね? 実は公務員なんですよ。こんな時代でも安定度抜群ですよね。
男性
自分でそれ言うかな。でも、汚職とか賄賂貰っているんじゃないの? 大丈夫? 貪官汚吏で逮捕されないようにね。
女性
それって嫌味ですよね。大丈夫、彼を信用しています。

職場の女性が公務員男性と結婚する事になったという会話です。

貪官汚吏の豆知識

「貪官汚吏」は役人の汚職や不正ですが、似たような言葉として「左建外易」は不正などで勢力を伸ばす、「腐敗堕落」は品行が悪くなる、「官官接待」は役人が役人を接待する事です。基本的には役人を悪くする四字熟語は少なく、反対に不正を取り締まるや嘆く「慷慨憤激」や「激濁揚清」といった言葉が多いです。

貪官汚吏の難易度

「貪官汚吏」は漢字検定2級から7級相当の文字組み合わせで、”貧”は2級で高校レベル、”吏”は3級で中学卒業レベル、”汚”は4級で中学レベル、”官”は7級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

貪官汚吏のまとめ

「貪官汚吏」は、不正をしたり賄賂を受け取るような役人や官僚、日本では腐敗した一部公務員についての言葉で、職権を悪用し私利私欲に走る役人といった意味です。現在でも汚職で逮捕される役人は後を絶たないので、穿った見方ならいつの時代も欲をかくのが役人らしいようです。

貪官汚吏を許してはいけない
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