自分自身(じぶんじしん)
「自分自身」とは「自分や自分一人を強調する言葉」です。何かと日常的に使う「自分自身」ですが、改めて意味を考察してみると、案外と分かり難くないですか? ”自分”だけでもほぼ同義ですが、状況に応じて明確な定義などはなく、何となく「自分自身」と使い分けているのが実情だと思います。また、人によっては”自身”を好んで使っている場合もありますよね。そんな「自分自身」について、より深く調べてみました。
自分自身の意味
「自分自身」の意味は以下の通りです。
・自分を強めていう言葉。自分自ら。
・一人称や二人称などに関係なく実態そのものを指す反射代名詞で、自分一人の事。
・自分、己、僕、私などを強調する際に使う言葉。
”自分”は「私」「己」「僕」「その人自身」、”自身”は「自分自ら」「自分」となり、要は”自分”を繰り返して強調しているのが「自分自身」です。例えば、「自分の問題」と「自分自身の問題」も基本的には意味は同じですが、「自分自身の問題」とする方が強い責任感を感じられます。同じ様に「自分が決める」と「自分自身が決める」も、「自分自身」とした方が決意が強いと思えます。よって、「自分自身」とすると、自我の強さやプライドめいたものも強くなり、意識的にしろ無意識にしろ、その様な傾向な人が好む表現となるのが「自分自身」です。
自分自身の由来・出典
「自分自身」の由来は、一人称の「自分」が初めて使われたとされる平安時代初期の勅撰漢詩集「経国集」(827年)となります。
自分自身の類義語・同義語
「自分自身」の類義語には、「貴方自身」「自己自身」「本人自身」などが挙げられます。
自分自身の使い方・例文
例文1.自分自身としては、このまま堕落した生活を送り続け、呆気なくこの世を去りたい。
例文2.自分自身の問題であると、改めて認識したところだ。
例文3.突然彼女から罵声を浴びせられ、自分自身でも混乱して訳が分からなくなった。
例文4.体育会系や応援団などは、「自分自身は、〇○であります!」と発する習慣が未だに残っている。
例文5.まるで自分自身の問題の様に、友人は真剣に相談に乗ってくれて、良きアドバイスをしてくれる。
日常における「自分自身」を使った例文です。
自分自身の会話例
小遣いが無くなり懇願する夫と、絶対に渡さない妻の会話です。
自分自身の豆知識
「自分自身」を追求するのは心理学や精神分析では「自我意識」や「エゴ」となります。本来は自分の事なので、そこまで問題がないように感じますが、これらは自尊心や自惚れが強く、また強情っぱりや偏屈としてあまり良い印象を抱きません。現在で例えると、自分を検索する「エゴサーチ」が当て嵌まり、かつての「自分自身」を追求して深い心理を覗き込むというより、ネットで検索するのが手っ取り早い方法となりました。
自分自身の難易度
「自分自身」は漢字検定8級から9級相当の文字組み合わせで、”身”は8級で小学校中学年レベル、”自”と”分”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。
自分自身のまとめ
「自分自身」は自分・己・僕・私・自己などと限りなく近いですが、これらを強調する際に使う傾向があります。良い意味でも悪い意味でも、自分の責任や問題とする時に「自分自身」を使うと、意志や心意気がより相手にも伝わります。