【綾羅錦繍(りょうらきんしゅう)】の意味と例文と使い方

綾羅錦繍(りょうらきんしゅう)

「綾羅錦繍」とは「上質な素材で刺繍などが入った高級衣類や高級布の事」です。現在で喩えるなら、高級ブランドでありセレブ御用達の高級洋服といった感じではないでしょうか。昔はオシャレを楽しめたのは一部の特権階級だけで、さらに選ばれた女性の嗜みといった感があったと思います。ですから凝った刺繍を衣類に施すのは、それだけで高貴な女性となったのです。そんな背景を理解した上で「綾羅錦繍」の解説をさせて頂きます。

綾羅錦繍の意味

「綾羅錦繍」の意味は以下の通りです。
・上質な素材を使い刺繍を施した美しい衣類。美しく気品がある洋服。
・鮮やかや上品な洋服を身に付ける喩え。美しい衣類で身嗜みに気を遣う事。
・綾織の絹である「綾絹」と生地の薄い絹「薄絹」と錦と刺繍のある布から、美しい衣類の事。
・上質な素材で刺繍がある煌びやかな衣類を纏う事。
”綾”は「綾織の絹」「綾絹」、”羅”は「生地の薄い絹」「薄絹」、”錦”は「色鮮やかな絹」「金色の糸で模様を織りなした絹」、”繍”は「刺繍を施した布」となり、大昔の(中国)富裕層や高貴な人などが着飾る洋服や使用する高級な布が「綾羅錦繍」です。この「綾羅錦繍」は上記の様な当時としては高級な刺繍があったり特別な高級布である事から、それが転じて、美しい衣類や高級な洋服、或いはきちんとした洋服を着飾る事などを「綾羅錦繍」と呼ぶようになりました。現在で言うなら、高級服は当然ながら晴れ着やフォーマル、高級ブランドといったニュアンスが近くなります。また、洋服だけでなく棺などが華麗な布で覆われている場合も「綾羅錦繍」を使って、高級感を表現します。

綾羅錦繍の由来・出典

「綾羅錦繍」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、平安時代の歴史物語「栄花物語」(1028年~92年頃)などに文言が記されています。

綾羅錦繍の類義語・同義語

「綾羅錦繍」の類義語には、「錦衣玉食」「軽裘肥馬」などが挙げられます。

綾羅錦繍の使い方・例文

例文1.ファッション好きな友人は、バイト代を全て綾羅錦繍につぎ込むほどオシャレに熱を上げている。
例文2.裕福な知人宅にお邪魔したら玄関マットから綾羅錦繍な雰囲気が感じられ、あまりにも場違いな空気を察して用事があると嘘を吐いてそそくさと退散した。
例文3.新任教師がまるでこち亀の中川の様で、高級ブランドの綾羅錦繍を身に纏い授業をするのでクラスメイトは対応に困る。
例文4.どんなに綾羅錦繍で身なりを整えても、顔や外見が悪ければ、悲しいかなその価値は半減だ。
例文5.綾羅錦繍など外見ばかりに凝ってしまうと最終的には整形に走るので、ほどほどで妥協するのがより良い生き方だろう。
高級な洋服といった意味合いで「綾羅錦繍」を使った例文です。

綾羅錦繍の会話例

男性
今日の俺のファッションどうかな?
女性
うーん。いつも通りの普通かな!
男性
ちゃんと見てよ。これ全部ブランド物だよ。大昔の中国なら綾羅錦繍って言われるほどの良い質感の高級洋服だよ。
女性
見た感じはいいけど、でもバランスが悪いし似合っていないかなー。

彼氏のファッションに対して、軽くダメ出しをする彼女との会話やり取りです。

綾羅錦繍の豆知識

「綾羅錦繍」から”衣類”や”着物”に関する四字熟語は、質素で粗末な着物や食べ物の「悪衣悪食」、衣服の着替えもせずに不眠不休で仕事に励む「衣帯不解」、豪華な衣装や美味しい食事で贅沢な暮らしをする「侈衣美食」、衣食に不足がない暮らしで贅沢な生活の「暖衣飽食」などがあります。

綾羅錦繍の難易度

「綾羅錦繍」は漢字検定準1級から準2級相当の文字組み合わせで、”綾”と”繍”は準1級で大学一般レベル、”錦”は2級で高校卒業レベル、”羅”は準2級で高校レベルの四字熟語となります。

綾羅錦繍のまとめ

「綾羅錦繍」は高級な素材や刺繍が施された衣類や布の事で、そこから、美しい洋服や高貴な人が身に付ける上品な洋服という意味合いになります。要するに、裕福な富裕層などに似合う洋服などを「綾羅錦繍」と呼んだり、またその様に表現します。大昔の中国や日本では鮮やかな衣類などを着れるのは一部の人達だけで、そんな選ばれた人々が身に纏う高級服を「綾羅錦繍」として、一般の人々は憧れたり羨んだりしたのです。

兄は、大金を使って綾羅錦繍に金をつぎ込む。
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