海千山千(うみせんやません)
｢海千山千｣は陰の重鎮や実力者に対して、ドラマや小説などで使われる印象がありませんか？ 若い人にはあまり使わず、やはりベテランを崇める感じでしょうか。個人的には政界や経済界、後はヤクザ社会などはこの様な｢海千山千｣の強者が多く存在している印象を持っています。そんな｢海千山千｣についての解説となります。
海千山千の意味
｢海千山千｣の意味は以下の通りです。
・世の中の表と裏を知り尽くした実力者。狡賢い権力者。
・経験に裏付けされ、物事の表も裏も知りぬく人。大勢が恐れる実力者。
・｢海に千年、山に千年すんだ蛇は竜になる｣という言い伝えを略したもの。
｢海千山千｣は端的に言うなら、｢何でも知っている権力者｣の事です。経験を多く積み、裏付けされた表や裏の事実や情報を誰よりも知っているので、大勢が頼りにして、また恐れる存在といった感じです。同時に、それだけ狡賢い人や強かともされ、味方に出来れば最良だが敵になればこれほど恐ろしい存在もないです。実際の使用例としては、｢海千山千の強者｣が有名です。
海千山千の由来・出典
｢海千山千｣の由来は、古代中国の言い伝え｢海に千年、山に千年すんだ蛇は竜になる｣です。一方、四字熟語として日本で広まったのは昭和になってからと言われています。
海千山千の類義語・同義語
｢海千山千｣の類義語には、｢海千河千｣｢千軍万馬｣などが挙げられます。
海千山千の使い方・例文
例文1.海千山千の強者と呼ばれる部長が実はケーキとアニメ好きと知り、拍子抜けした。
例文2.普段はおっちょこちょいな親戚の叔父が、地元では海千山千の実力者と知った時は大変驚いた。
例文3.父が大病で入院し手術となったが、海千山千の名医が執刀すると聞いてひとまず安心した。
例文4.海千山千な男になろうと、本を多く読み筋トレをして知識と体力の双方を鍛える決意をした。
例文5.Jリーガーは海千山千な名選手になりたくて、海外を活躍の場に求めて移籍していくのだろう。
色々なパターンの｢海千山千｣な男達についての例文となります。
海千山千の会話例
仕事ができる部長がイメージと違った事で、同僚男女が会話を繰り広げています。
海千山千の豆知識
｢海千山千｣は実力者や権力者という意味なので、類似としては｢一騎当千｣｢一人当千｣｢斗南一人｣｢伯楽一顧｣｢泰山北斗｣｢天下無双｣｢天下無敵｣｢当路之人｣となります。また、この様な実力者の陰で悪事を働いたり媚びるのが｢城狐社鼠｣｢狐仮虎威｣｢趨炎附熱｣です。
海千山千の難易度
｢海千山千｣は漢字検定9級から10級相当の文字組み合わせで、”海”は9級、”千”と”山”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。
海千山千のまとめ
｢海千山千｣は、｢海に千年、山に千年住んだ｣という古代中国の言い伝えから、転じて、実力者や権力者、経験豊富で狡賢さも兼ね備えた者といった意味が込められています。物事の表や裏を知り尽くし、困った時には頼りになる存在とも言えます。
