【槐門棘路(かいもんきょくろ)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

槐門棘路(かいもんきょくろ)

「槐門棘路」とは「国政の大臣など最高幹部の喩え」です。なぜ、「槐門棘路」がその様な意味になるのか不思議に感じる人も多いでしょうが、”槐門”と”棘路”が別称や異名と分かれば、そんなに難しくはないと思います。昔の中国では、この様な役職などを他の物で喩える事は多々あるので、今回もその一つなのです。しかし、”槐門”と”棘路”がそもそも日本では馴染みが薄いので、余計に感じてしまうのも理解できます。それでは、現在も政治などで用いられる「槐門棘路」についての解説となります。

槐門棘路の意味

「槐門棘路」の意味は以下の通りです。
・政界や国政の最高幹部の喩え。
・古代中国の槐門の別称・三公(日本では太政大臣・左大臣・右大臣)と、棘路の別称・公卿(同じく日本では大納言・中納言・参議)から、転じて、国の最高幹部の事。

”槐門”は「中国周時代の臣下の最高位の三つの位」「三公の別称」、”棘路”は「公卿の別称」となり、要するに国の最高幹部の喩えが「槐門棘路」です。”槐門”は”三公”の事で、日本では太政大臣・左大臣・右大臣の三人となります。同じように、”棘路”は古代中国の官職である”九卿”の事で、日本では”公卿”の大納言・中納言・参議となります。そこから、現在に当て嵌めるなら、各大臣・行政大臣・権力者の部下・大臣諸公など、国政や権力を握る身分高い人に対して使う言葉となります。また、権力の中枢に居る事から揶揄した使い方も多く、日本では政権批判などで用いられる傾向があります。

槐門棘路の由来・出典

「槐門棘路」の由来は、中国周時代は朝廷の庭に三本の槐(えんじゅ・落葉高木)を植えられそこに三公が座り、その左右には九本の棘(いばら・植物)が植えられ九卿が座った事とされています。

槐門棘路の類義語・同義語

「槐門棘路」の類義語には、「九棘三槐」「公卿大夫」「三槐九棘」などが挙げられます。

槐門棘路の使い方・例文

例文1.新政権が発足したが、槐門棘路の顔ぶれが殆ど既定路線でこれは前回同様に期待が持てないと案じてしまった。
例文2.槐門棘路の数人が汚職に絡んでいると、飛ばし記事で定評のタブロイド雑誌に掲載された。
例文3.槐門棘路や専門家が集まり会議を日夜開催しているが、コロナ封じ込めに一向に成功しないのは、もしかしたら全員が単に能力不足なだけではないのかと国民が疑問に思い始めている。
例文4.難関校に通う息子の将来の夢は、槐門棘路として国を支え繁栄させる事と、私の目を見据えてはっきり断言した。
例文5.アフリカや東欧の途上国で槐門棘路に仕える仕事をしたいと、最近は真剣に考え始めた。
「槐門棘路」は国の最高幹部や大臣といった意味なので、その様な例文となります。

槐門棘路の会話例

男性
コロナは国を揺るがす緊急事態なのに、どうも総理も大臣も頼りないよね?
女性
危機感は確かにないよね。経済を優先しているって言うけど、そもそも世界中が危機に陥っている中での経済って何? 感染拡大を黙認するのが経済を守る事なのって問い質してみたいわ!
男性
大分、不満があるね。でも、総理は神輿だから仕方がないにしても、脇を固める槐門棘路には優秀な人が何人かは揃っているんだから、しっかり頑張って欲しいよ。
女性
でも、これは政治家というより政治システムが悪いのよ。何にもしなくても大金が手に入るんだから、若い時は頭脳明晰でもどんどん衰えていくのよ。

コロナにおける政治姿勢を批判する男女2人の会話です。

槐門棘路の豆知識

「槐門棘路」の解説で登場した大臣など高官が「公卿」で、対して「公家」は天皇などに仕える官人の事です。よって、「公家」は貴族や上級官人であり現在でも特別な意味合いが込められています。身分が高い人などは自らを公家出身と示唆する事で、他とは違う先祖代々続くエリートや特権階級であると意志表示できます。それぐらい、現在の日本でも「公家」という言葉は特別な力があります。

槐門棘路の難易度

「槐門棘路」は漢字検定1級から9級相当の文字組み合わせで、”槐”と”棘”は1級で大学一般レベル、”路”は8級で小学校中学年レベル、”門”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

槐門棘路のまとめ

「槐門棘路」は、古代中国の最高位の官職から国や政治における最高幹部の喩えです。日本で言うなら、太政大臣、右大臣、左大臣が三公(槐門)で、大納言・中納言・参議が公卿(棘路)となります。

槐門棘路は古代中国から使われている。
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